2012 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス環境のためのトポロジコーディングによる全体プログラミング
Project/Area Number |
23240010
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
塚本 昌彦 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60273588)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 努 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70324861)
義久 智樹 大阪大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00402743)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ユビキタスコンピューティング / 全体プログラミング / マクロプログラミング / モバイルエージェント / プログラム変換 / センサネットワーク / 群コンピューティング / メタプログラミング |
Research Abstract |
将来、ユビキタスコンピューティング環境が実世界に浸透し、数千から数万ノードからなる多数のユビキタスデバイスを全体として連携させる必要性が高まる状況を想定し、本研究課題では、多数のユビキタスデバイスを全体としてプログラミングを行う「全体プログラミング」の枠組みを拡張し、トポロジ情報を入れてプログラミングを行う手法を検討している。具体的なアプローチとして、比較的自明なトポロジをもつ格子状有線ユビキタスネットワークGLOCAL GRIDを対象に、グローバル通信とローカル通信を組み合わせて、プログラム変換とモバイルエージェントの枠組みを適用し、平成23年度までに基礎となるシステムを構築してきた。本年度はこれまでに構築したGLOCAL GRID上の全体プログラムをProcessingライクなマクロ言語で書けるようにし、それを平成23年度に開発したモバイルエージェントのコードに変換するシステムを開発した。また、モルフォロジやセルラーオートマトンなどの計算原理を用いて、GLOCAL GRIDのローカルエンジンを強化することについて検討を行った。これによってグローバル通信を使って全ノードに動作定義を放送できるようになり、また、隣接ノードとデータを交換してこれらの計算をGLOCAL GRID上でグローバル同期をとりながら進めていけるようになる。さらに、複数のGLOCAL GRIDをローカル接続したようなトポロジについて検討を行った。個々のGLOCAL GRIDのブロードキャストの範囲を制限し、新たにエリア間の制御を行うことにより、より大規模なシステム構築が可能になる。さらに当初の予定に加えて、前年度より進めているLISP処理系やその他の関数型言語(具体的にはHaskell)を用いた分散処理系についても、実装および検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定されていた三つの項目について、プランに従って進行している。プログラム変換については実装が完了し国内会議発表終了、国際会議投稿準備中という状況にあり予定以上の進行である。一方、残りのローカルエンジン拡張およびエリア拡張に関して検討は完了しておりいずれもプロトタイプレベルでのシステムが完成してる。昨年度より研究を具体的に進めるに当たりいくつかの着想を得たため、LISP処理系・Haskell処理系などの分散処理系の実装を進めているが、これらについては新たな成果として推進している。トータルで見ておおむね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、システムの高度化と各種応用プログラムの実現を行う。特に、一般トポロジネットワークや無線ネットワークに対象を拡張し、より利用性を高めることと、エンターテインメント向けのLED電飾表現や、センサネットワークなどにおいて温度や照度、動物の気配などに応じて水をまいたり音を鳴らしたりする応用を想定し、実際に数百個レベルのセンサネットワークでの動作実験、有効性検証を行う。具体的にはまず、座標連続化や三次元化などのローカルエンジン強化、GRIDの座標系連続化、モバイルエージェントやLISPなどのプログラムでのそれのサポート、GLOCAL GRIDでのこれの擬似実行を行う。次に、無線GLOCAL GRIDシステムを構築する。すなわちGLOCAL GRIDの格子状という制約を外し、一般トポロジネットワーク上で動作するように改良する。具体的には一般トポロジネットワーク上でGLOCAL GRIDのシステムが動作するように、仮想的に格子状の疑似ノードをシステム上でエミュレートする。システムのコンフィギュレーションと効率よい実行、ボイド(多数ホップからなる非相互接続領域)解決のアルゴリズムなどを別途考える。さらに、GLOCAL GRID強化エンジン上での各種プログラムとして、平成24年度に強化したGLOCAL GRIDのエンジン上でモバイルエージェントやProcessingマクロエンジンが動作するようなシステム改良、モルフォロジやセルラーオートマトンのプログラミングレベルへの取り込み、構築したプラットホーム上でムービーなどの複雑な映像表現の実現などを行う。同時に、一昨年度より進めているLISP処理系・Haskell処理系、その他の分散処理系のシステムをこれらに統合していくことについても検討する。これらのシステムを小規模な実応用の中で運用し、有効性を立証していく。
|
Research Products
(9 results)