2012 Fiscal Year Annual Research Report
人間行動理解のための装着型センサによる大規模データベースの構築
Project/Area Number |
23240014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河口 信夫 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10273286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 信彦 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (70286631)
角 康之 公立はこだて未来大学, 複雑系知能学科, 教授 (30362578)
藤波 香織 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10409633)
寺田 努 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70324861)
井上 創造 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90346825)
川原 圭博 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (80401248)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 行動センシング / 加速度センサ / コーパス / 行動コーパス / 圧縮センシング / ジャイロ / 歩行者ナビゲーション / 行動理解 |
Research Abstract |
第2年度は初年度に引き続き,大規模行動データベースの構築を実現するための検討を進め,データ収集のための技術チャレンジであるHASC Challlenge2012 とそれに続くシンポジウムを開催した.HASC Challenge2012 には17チームの参加者があり, 結果として114名,13607ファイルのセンサデータを収集することができた.これまでのデータを整理したものも合わせ,合計366名の基礎的な行動データが収集できた.2012年度の主な実施項目を以下に挙げる. ・HASC Challenge への参加者の増大と,行動センシング技術の普及,本研究で構築してきたツール HASC Tool, Logger の利用方法,ならびに課題や利用者の要望の抽出を行うために HASC Tutorialを名古屋、福岡、神戸、東京で実施した。東京での開催は好評であり,25名の参加者を得た. ・年齢,性別のバランスを取った被験者行動データを100名分収集した.さらに,移動経路を明示した行動コーパスを構築するため,同じ100名の被験者を用いて,建物内移動のデータ収集を行った.異なるフロアや建物間の移動も含め,400経路のデータを収集し,地図や経路と共に屋内空間移動コーパス(HASC-IPSC)とした.このコーパスでは,無線LAN情報も同時に収集しており,加速度センサ・ジャイロ・地磁気・無線LANを用いた高度な屋内移動に関するデータの研究が実施できる. ・本研究グループが主な提案者となり,HASCA2013 (International Workshop on Human Activity Sensing Corpus and its Application)をUbicomp2013の併設ワークショップとして提案し,採択された.このワークショップにより,本研究での成果の国際的な認知度向上を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
HASC Challenge 2012 の継続開催により,新たな大規模行動データ収集を行なうことができた.さらに,行動信号処理の共通基盤としてのHASC Toolの開発が進み,多くの機能が搭載され,多様な応用が実現可能になりつつある.また,チュートリアルの全国での開催により,利用者の増大を図ると同時に,必要な機能のフィードバックを進めている.また,昨年度課題であった被験者の偏りについては,年齢・性別バランスコーパスの構築を行い,その対応をおこなった.年齢・性別でバランスされたデータの解析は今後の大きな課題である.これまでのHASC challenge を通じて収集した366名に、今年度新たに収集したバランスコーパス(HASC-IPSC)100名を追加し, 466名のコーパスの構築が完了した。バランスコーパスは,屋内行動データを含んでおり,通常のコーパスの倍以上の規模と見なせるため,実質的には 500名以上の規模の行動コーパスを構築したといえる. また,国際化については,本研究が中心となった国際ワークショップの提案が採択されており,国際的な場で成果発表を行う場を得ると同時に,同様の分野での研究者を集めることが可能になった.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に,継続的な取り組みとして,HASC Challenge 2013 およびシンポジウムの開催を行なう.また,国際ワークショップ HASCA2013 をUbiComp2013 の併設ワークショップとして開催する.また,2012年度に新たに収集した被験者分布に偏りが無いバランスコーパスの分析を進める.これにより,年齢や体格・性別依存性などの解析を行う.また,コーパスを手軽に活用できるためのツールの整備も継続的に進める.ドキュメントやチュートリアルを充実させることによって,多くの利用者が手軽に行動認識技術を活用できるような環境の整備を進める.
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Research Products
(58 results)