2012 Fiscal Year Annual Research Report
ネット上の医療・健康情報の健全な利活用を可能にするヘルスリテラシー支援環境
Project/Area Number |
23240018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
乾 健太郎 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60272689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 直観 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50601118)
楠見 孝 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70195444)
渡邉 陽太郎 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (70583326)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヘルスリテラシー / 批判的思考 / 自然言語処理 / 教育心理学 / 意見分析 / 情報分析 / 含意関係認識 / 情報信憑性 |
Research Abstract |
本年度は次の3つの研究課題て、それぞれ下記の研究開発を実施した。 (A) 相対言論空間生成(乾、岡崎、渡邉) 第1に、マイクロブログデータを対象として言明間関係や種々の意味的注釈情報を人手で付与した言論マップコーパスを作成した。ウェブの一般文を対象とした従来の言論マップの言明間関係の定義を見直し、「イソジンは放射能予防に効果があるというのはまったくのデマ。」のようなマイクロブログに特徴的に出現する言語表現に対応できるようにした。第2に、従来の言論マップ生成システム(言明間関係認識モジュール)の個々の要素モジュールについて処理速度および精度の両面から見直し、全体に高速化・高精度化をはかった。また、一部の処理を並列化、非同期化し、耐規模性を向上させた。第3に、上記技術を適用し、大規模なマイクロブログデータ集合に対して情報間の論理的関係をモニタリングする機構を部分的に実現した。 (B) ヘルスリテラシー支援環境(乾、楠見) 上述の文間関係認識モジュールをベースにして、ヘルスリテラシー支援環境のプロトタイプシステムの設計・開発を進めた。 (C) ヘルスリテラシーの支援・教育方法(楠見) 被災県,首都圏,関西圏で,合計1500名の20-60代の成人男女に対してネット調査を行い,ネット上の医療や健康情報を利活用の実態,ネットの情報に基づく薬や健康法の効果の判断の仕方(ヘルスリテラシー),医療への満足度,幸福感,被災経験,批判的思考態度などについて尋ねた。その結果,批判的思考態度がヘルスリテラシーを高め,適切なネット上の医療・健康情報の利活用を促進していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、(A) 相対言論空間、(B) ヘルスリテラシー支援環境、(C) ヘルスリテラシーの支援・教育方法の3項目において、いずれも有意味な進捗を見た。(B)は研究分担者との連携方法の調整に若干時間を要したため、計画より若干遅れ気味であるが、(A)と(C)については計画以上に進捗しているため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、主としてマイクロブログデータを対象に限定することによって、データ収集の規模、および処理速度の確保をはかり、ヘルスリテラシー支援環境を実際に構築し、ユーザ評価実験を実施できるところまでなるべく早く到達できるように工夫する。
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Research Products
(8 results)