2011 Fiscal Year Annual Research Report
高次統計量追跡による自律カスタムメイド音コミュニケーション拡張システムの研究
Project/Area Number |
23240023
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
猿渡 洋 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (30324974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 智基 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (90403328)
鹿野 清宏 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00263426)
川波 弘道 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (80335489)
小野 順貴 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (80334259)
宮部 滋樹 筑波大学, システム情報工学研究科, 助教 (50598745)
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Keywords | 音声情報処理 / 統計的学習理論 |
Research Abstract |
本研究では、新しい統計モデリングおよび高次統計量追跡による能動的声質制御技術の確立、およびその自律カスタムメイド音声コミュニケーション拡張システムへの応用に関して研究を行うことを目的とする。具体的な実証システムとして、高次統計量追跡による高品質ブラインド音源分離に基づく両耳補聴システムや、統計量追跡による声質制御可能な発声補助システムを開発し、その有効性を実証する。 本年度は、以下の4項目に関して研究を遂行した。 (1)実環境における聴覚障害者の音響環境を模擬するため、両耳補聴器に関する基礎データベースの収録を行った。具体的には、音声信号や自然音(各種雑音もむ)から構成される音響イベントを、バイノーラル録音等で使用されている頭部模擬装置を用いて収録し、データベース化した。 (2)両耳補聴器の基礎アルゴリズムを確立するため、一般化ガンマ分布による統計モデリングに基づく独立成分分析アルゴリズムを導出し、実環境模擬データに対する分離評価を行った。また、予定以上の成果として、市販のKinectセンサ上に本アルゴリズムをリアルタイム実装し、実環境でのリアルタイム動作の確認を行った。 (3)高精度処理に向け、補助関数型ICAやカーネルICAの数理を統計量追跡の観点から理論整備し、実環境模擬データに対する分離評価を行った。 (4)音情報拡張の基礎を確立するため、声質表現語をパラメータとする声質変換処理を導出し、その実データに関する評価を行った。また、音声認識による情報変換の検討も行った。 上記の項目を実施することにより、本研究課題の基盤データ整備および基礎アルゴリズムの検討が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定では来年度以降に検討することになっていた「独立成分分析アルゴリズムのリアルタイム実装」を23年度中に開始し、評価実験を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
音源分離関連の研究においては、既に計画を先取りしてリアルタイム化に成功していることより、このテストベッドを有効に活用してアルゴリズム開発を推進する。補聴器応用としては、実際の人間頭部伝達関数の測定を行い、それを用いて個人性に関する実験評価を実施する。また、情報変換の例として、音声認識による評価も実施する。声質変換に関しては、現在までに確立した統計的声質変換モデルの精度向上を目指す。
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Research Products
(51 results)