Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10232282)
吉川 雄一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (60418530)
橋本 慎吾 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (20293582)
宮下 敬宏 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (50332771)
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Research Abstract |
平成23年度では,まず購入した2台の日常活動型ロボットRobovie-R3を用いた演劇構成のためのシステム開発に取り組み,2人の人間と2台のロボットが登場する演目(「働く私」)のロボット演劇に必要な,ロボットによる演技の遠隔制御ができることを確認した.また演劇中の人の位置およびロボットの位置を考慮した遠隔操作および自律制御を可能にするために,開発したロボットによる演技を操作するシステム(遠隔演技操作システム)に,購入したレーザーレンジファインダを用いた人位置計測システムを統合し,リアルタイムの位置情報を取得できるシステムを開発した.開発したシステムは,来年に取り組む日常活動型ロボット1台と人間酷似型アンドロイド1台,および人間の役者が登場する演目の構成に使用される. またH23年度では,1体のアンドロイドと1人の人間の役者によって構成したアンドロイド演劇を・国内11ヶ所(東京(2回),山口,沖縄,北海道,大阪(4回),鳥取,京都),海外6ヶ所(オーストリア・リンツ,ドイツ・ベルリン,イタリア・パレルモ,フランス・パリ,フランス・トゥールーズ,タイ・バンコク)で公演した.公演では,観客が劇中のアンドロイドの表現をどのように感じるかについてアンケート調査を実施し,ロボットめ表現に抱く印象の文化依存性の検討に必要となる基本データを取得することができた.また構成されたロボット演劇におけるロボット動作のタイミングに関する考察を行い,人同士が遠隔対話する形態や,複数の人が対話する形態における人とロボットのインタラクションに関する心理学実験を通じて,このタイミングの違いが及ぼす効果について検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構成してきたロボット演劇・アンドロイド演劇が高く評価されていることで,国内外の数カ所での公演が実現できている,また課題開始前から蓄積してきた,ロボット演劇に関するノウハウやシステムを利用することで効率的にシステム開発を進めることができている.年度途中に補助金め入金に遅延が発生したことに伴い,物品の手配が遅れ、システム開発において当該物品を用いた試行錯誤が必要な部分の開発,当該物品を用いた計測によるデータ取得など,完全には実施できていない項目があるが,来年度以降の取り組みの中でカバー可能な範囲である.
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Strategy for Future Research Activity |
順調にシステム開発が進められているため,H24年度では予定通り複数のロボットが登場する演劇の構成に取り組むとともに,さらに予定を前倒しして,ロボットとアンドロイドが両方登場するロボット演劇の構成に着手する.またH23年度の公演で得られたデータも含め,公演で得られるデータの解析を進め,ロボットによる表現の原理に迫っていく.
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