2011 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト・グローバル時代から見たソ連崩壊の文化史的意味に関する超域横断的研究
Project/Area Number |
23242018
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
亀山 郁夫 東京外国語大学, 学長 (00122359)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼野 充義 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (40180690)
鈴木 義一 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (40262125)
高橋 清治 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (30126106)
鴻野 わか菜 千葉大学, 文学部, 准教授 (50359593)
岡田 和行 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (70143617)
|
Keywords | ロシア文学 / ロシア文化 / 表象文化 / ソ連 / 全体主義 / 冷戦 / ペレストロイカ / 比較文学 |
Research Abstract |
研究期間の初年度である平成23年度は、研究組織のセクションごとに個別の研究を発表することが、研究成果の中心となった。 まず言語文化セクションでは、ソ連解体から20年を経た現在のロシアの文化状況をふまえ、ソ連期の文学について様々な角度から考察を行った。具体的には、ロシア・フォルマリズムの方法と概念をめぐる論考、アレクサンドル・ソルジェニーツィンの文学作品の考察、亡命者の文学などについて論文、著書、学会発表を行った。また以上との関連において、ソ連解体後のロシア文学についても著作を刊行した。 表彰文化セクションではまず、前衛芸術家イリヤ・カバコフの絵画やインスタレーションなどの空間の芸術作品についての研究成果を発表した。次に、チャイコフスキーやストラヴィンスキーの作品を対象に、ソ連期から現代にいたるロシアの音楽の変遷を明らかにした。 政治文化セクションでは、ソ連解体後20年をふまえ、「全体主義」体制の比較考察を行うとともに、現代の社会意識の動向を分析した。 今年度の研究活動を締めくくるにあたり、3月には国際シンポジウム「にがよもぎの予言 : チェルノブイリの悲劇とソ連崩壊20年」と題するシンポジウムを開催した。ウクライナから作家を招き、ペレストロイカの画期となったチェルノブイリ原発事故を振り返るとともに、ソ連崩壊過程における文学と文化の状況、政治の面からソ連解体をもたらしたモメントとその変動過程、ソ連崩壊についての現代のロシアにおける意識動向とその背景について、研究組織のメンバーが報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究組織は4つのセクションで構成されるが、それぞれのセクションで個別の研究が進んでいる。そしてそのうち3つのセクションでは、すでに研究期間の初年度に多くの研究成果の発表が行われている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後とも4つのセクションで、共通の課題に沿って個別の研究を推進する。とくに、ロシアおよびその他の旧ソ連諸国での資料調査や聞き取り調査を行い、その成果を今年度中に学会発表や専門誌への投稿という形で発表する。 また、各セクションの研究活動の調整を重視し、相互に有機的な関係を築く。そのため、研究組織全体の研究会を開催し、それぞれの研究成果の交流をはかる。そして、研究活動とその成果の発表において国際的な連携を模索する。とくに、近年精力的に旧ソ連地域の研究を進めている中国・韓国の研究者との交流を進める。
|
Research Products
(33 results)