2011 Fiscal Year Annual Research Report
方言分布変化の詳細解明―変動実態の把握と理論の検証・構築―
Project/Area Number |
23242024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
大西 拓一郎 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, 教授 (30213797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸江 信介 徳島大学, ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (90271460)
沢木 幹栄 信州大学, 人文学部, 教授 (20110116)
中井 精一 富山大学, 人文学部, 准教授 (90303198)
松丸 真大 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30379218)
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Keywords | 言語地理学 / 言語変化 / 分布変化 / 方言分布 / 経年比較 / 地理情報システム |
Research Abstract |
方言分布の実時間における経年変化を把握し,そこに現れた分布の変動を説明する理論の検証と構築を行うことを目的とする研究である。 1.過去に明らかにされてきた方言分布の把握と調査対象地域の選定 先行研究をもとに,(a)20年以上の隔たりがあること,(b)調査方法が明示されていること,の2点に留意しながら,分布変動の比較研究に耐える以下の地域を選定した。 (1)富山県庄川流域(2)長野県伊那諏訪地方(3)伊賀を中心とした近畿地方(4)大井川流域を中心とした東海地方(5)越後・越前を中心とした北陸地方(6)山陽山陰地方(7)瀬戸内を中心とした中国四国地方(8)徳之島を中心とした北琉球地方(9)関東東北地方 2.言語変化の予測と項目選定 調査対象地域について,(a)現実に発生している言語変化,(b)分布からの推定,(c)理論的予測,の3方向から検討を行い,実時間の中での分布変動を把握するという研究課題に適合した調査対象項目を共通語化に留意しつつ選定した。 3.調査の実施 以下の地域で上記の1(過去に明らかにされてきた方言分布の把握と調査対象地域の選定)・2(言語変化の予測と項目選定)を整備し,調査を開始し,他の地点では,準備を進めた。 (1)富山県庄川流域(2)長野県伊那諏訪地方(3)伊賀を中心とした近畿地方(4)瀬戸内を中心とした中国四国地方 4.研究会の開催・情報交流・学会発表 調査・分析のほか情報交流をはかるため,3回の研究会の開催,メーリングリストの開設を行った。また,国内外での学会発表を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象地域を決定するとともに,全体の半数の地域で調査の実施を開始したこと。
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Strategy for Future Research Activity |
調査を開始した地域では,継続しデータを取得するとともに,分析を開始する。対象地域として選定した地域では調査を開始する。分析にあたっては分布データを正確に扱うことのできるGISを活用することとし,利用のための情報交換を活性化させる。方言分布に関する研究分野である言語地理学に関する蓄積のあるヨーロッパ,また近年研究が盛んになりつつある東アジア地区の研究との交流にも視野を広げたい。
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Research Products
(10 results)