2015 Fiscal Year Annual Research Report
多様な第二言語学習過程を最適化する学習モデルと支援システムの研究
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23242032
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
山田 玲子 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, その他部局等, 主幹研究員 (30395090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 保茂 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (90257775)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 外国語学習 / 学習効果 / 順序効果 / 英語 / eラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外国語学習の様々な要素を、どのような手続きや順番で学習するのが効果的か、学習データを分析し、順序効果の存在を証明し、効果的な学習方法を提案することを狙った。今年度(最終年度)は、前年に行った音韻の知覚訓練と生成訓練の順序効果の実験結果の解析を行い、顕著な順序効果がないことが示された。また、構文訓練と音読訓練の関係も学習実験により調べたが、現時点での分析結果では大きい差はみられない。一方、処理レベル間での順序効果をみるため、日本語母語話者を対象とした中国語の四声の知覚訓練と四声で対立する単語の語彙訓練の順序効果を検証する実験を行った。その結果、知覚訓練を先行したグループの方が語彙訓練を先行したグループより訓練後のテストの成績が有意に高いことが明らかになった。この差は特にリスニング課題(音声を聞いてそれに相当する中国語単語を選択する、または日本語訳を選択する課題)で顕著であった。この結果から、音韻知覚学習と語彙学習の間では順序効果があることがわかった。複数の実験の結果をまとめると、同一処理レベルであれば(例えば語彙学習における発音訓練と対訳選択訓練、音韻の知覚訓練と生成訓練等)順序効果は顕著ではないこと、処理レベルが異なる学習の間では順序効果があり、低次処理を先に習得する方が効果が高いことが示唆された。これに基づき、効果的な学習モデルとして人間の音声情報処理の過程の順序に沿って音韻・リズムの習得→語彙学習→文法、構文の学習→読解の順に進める「ボトムアップメソッド」を提案する。 また、この学習の効果を高めるカリキュラムモデルとして、「反転学習の概念モデル」を作成し、その効果を検証した。さらに、本研究の流れを継承し、次のステップにつなげるため、複雑な学習過程を近年の教育ビッグデータ、学習解析の手法で個別に最適化する方略について整理、考察を行った。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)