2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23242033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90172551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (10162950)
粟屋 利江 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (00201905)
今泉 裕美子 法政大学, 国際文化学部, 教授 (30266275)
中野 聡 一橋大学, 社会学研究科, 教授 (00227852)
石川 博樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (40552378)
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Keywords | 植民地兵 / 植民地間移動 / 戦争 / 世界史 |
Research Abstract |
初年度の2011年度にはまず、本研究の目的と具体的な課題を明らかにし、分担者間で認識を共有し、各自の分担を明らかにするための研究会をもった(2011年7月2日)。研究の出発点として、「植民地間移動」の前提となる、各植民地での「植民地兵」の徴募・動員について明らかにすることの重要性を確認した。これに基づき、第2回研究会(2012年1月21日)では、分担者大久保が戦前の日本=台湾=「南方」間の人材教育・移動について報告した。また同日の研究会では、セネガル研究者小川了氏を研究協力者として招き、アフリカにおける植民地兵の代表的な例であるセネガル歩兵について、人類学的な研究の現状についての報告を受けた。これにより、アフリカ植民地兵にかんし、史料面や問題設定の面で、本研究の目指す歴史学的な視点からの研究の方針を絞ることができた。 2011年度にはまた、上記の研究会と並行して、各自が史料調査を実施した。主要なものとしてエリトリア(担当 : 分担者真城)、モザンビーク(担当 : 協力者網中)、ナミビア、南アフリカ、オーストラリア(担当 : 代表者永原)の各文書館での調査を挙げることができる。本年度は史料状況の把握を主たる目的としたため、対象時期について狭く限定することなく広くサーヴェイを行った。その結果、本研究全体として特定の時期(あるいは特定の戦争)に限定して共同研究を進めるより、史料状況に応じて可変的にテーマ設定を行い、比較史的に研究を進めることが有効であるとの今後の展望を得られた。 なお、ウェブ上での成果公開に向けて、2011年度にはその方法と場について検討し、2012年度の公開の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画として挙げた5点のうち4点までを達成した。十分に達成できなかった1点(ウェブ上での成果公開)については、公開にまで至らず、準備を進めるにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、広汎な対象を扱っているため、積極的に研究協力者の参加を仰ぐことが有効と考えられる。 研究遂行上の問題として、各分担者が本務や各種共同研究を多く抱えているため研究会の設定が困難であり、また全員の出席がむずかしい点がある。年初に年間の研究会日程を確定するよう努めることで前年度の状況を改善したい。
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Research Products
(24 results)