2011 Fiscal Year Annual Research Report
集団的利益または集合的利益の保護と救済のあり方に関する解釈論的・立法論的検討
Project/Area Number |
23243014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
窪田 充見 神戸大学, 法学研究科, 教授 (60186450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯村 保 神戸大学, 法学研究科, 教授 (00030635)
中川 丈久 神戸大学, 法学研究科, 教授 (10252751)
島村 健 神戸大学, 法学研究科, 教授 (50379492)
島並 良 神戸大学, 法学研究科, 教授 (20282535)
八田 卓也 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40272413)
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Keywords | 消費者利益 / 環境利益 / 文化的・歴史的利益 / 集団的名誉 / 団体訴訟 / 消費者集合訴訟 / 伝統的知識 / 地域団体商標 |
Research Abstract |
平成23年度は、現行制度を前提とする救済方法について、従来の裁判例等を分析するとともに、解釈論的に考えられる救済手段を検肘し、さらに、その問題点の洗い出しを行うという作業を中心に行った。 具体的には,平成23年11月に,消費者利益パートの主催による「集団的消費者被害の民事的・行政的救済手法」をテーマとするワークショップを開催し,研究代表者の窪田が「集団的消費者被害と民事法アプローチによる救済」について,研究分担者の中川が「消費者被害救済のための行政的手法」についてそれぞれ報告し,同テーマに関する民事的救済と行政的救済のそれぞれについて意義と限界を検討した。また,平成24年2月には,文化的・歴史的利益パートの主催により「知的財産法における集団的・集合的利益の保護」をテーマとするワークショップを開催し,研究分担者の島並が伝統的知織について,前田が地域団体商標についてそれぞれ報告し,異なるパートの観点とも対比しつつ,検討を行った。平成24年3月には消費者利益パートと環境利益パートの共催により,「環境法・消費者法における集団的・集合的利益の保護」をテーマとする拡大ワークショップを開催し,上智大学法学部教授・弁護士の越智敏裕氏を招聴して「日弁連における団体訴訟法案の検討状況報告」についての検討を行い,研究分担者の八田が同報告についてのコメントを行うとともに,「消費者集合臨訟制度についての当事者適格を中心とした考察」についての報告を行った。 以上のとおり,平成23年度は,すでに既存の研究がある程度蓄積されている消費者利益と環境利益を中心として問題状況と課題の確認を行うとともに,新たな研究分野である文化的5歴史的利益については今後の研究のアプローチを確認するという作業が中心になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中にワークショップを3回(うち1回は科研メンバー以外の研究者を報告者として招聘)開催し,既存の研究の到連点と現在の問題状況を洗い出すとともに,ウェブサイトを開設してその成果を発信する体制を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き統き,各パート単位で研究を進め,ワークショップおよび拡大ワークショップを開催するとともに,ミニ・シンポジウムおよびシンポジウムの企画を具体化するとともに,随時成果の発信に努める。特に,集団的名誉に関する研究の展開が課題となる。海外における調査も予定している。
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