2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業のコラボレーションとイノベーション:新製品開発のダイナミクス
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23243054
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
米倉 誠一郎 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (00158528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島本 実 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (20319180)
崔 裕眞 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 准教授 (20589725)
宮崎 晋生 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (40347381)
平尾 毅 諏訪東京理科大学, 経営情報学部, 准教授 (50361861)
川合 一央 岡山商科大学, 経営学部, 講師 (80330538)
清水 洋 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (90530080)
星野 雄介 武蔵野大学, 政治経済学部, 講師 (90635682)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イノベーション / コラボレーション / 新製品開発 / 研究開発 / オープン・イノベーション |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、戦後日本企業における製品開発における資源の組織化と外部化の間のダイナミクスと、それがイノベーションに与える影響を歴史的に考察することを目的としている。本研究プロジェクトは、①大量データによる組織化・外部化の歴史的な流れの分析、②組織化・外部化のプロセスの分析、そして③組織化・外部化がイノベーションに与える影響の分析の3つからなる。 平成24年度は、①大量データによる組織化・外部化の歴史的な流れの分析に関しては、計画通りデータベースの構築がほぼ終了した。具体的には大河内賞に関するデータベースの構築が1950年代から2010年までのものが終了している。現在は最新のデータ(2011年と2012年)の取り込みと、データの細かな整理を行なっている。今後、このデータを基に分析を進めていく予定である。 ②組織化・外部化のプロセスの分析に関しては、研究分担者がそれぞれケーススタディを進めている。平成24年度には、これまでの分析の結果の学会での発表や学術雑誌への投稿が開始されている。また、平成23年度から継続的に行なってきた日本企業のコラボレーションについての、30~40名程度の日本の企業の技術開発担当者との研究会の成果も徐々に出てきており、『一橋ビジネスレビュー』で特集号を組み、発表した。 ③の点に関しては、①で構築した大河内賞のデータを用いて分析を進めた。そのプレリミナルな結果については、ソウルで行われたイノベーションの国際学会であるThird Asia-Pacific Innovation Conferenceにおいて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトは予想を超えて進展しているところと、当初の計画から変更を必要としているところがある。全体としてはおおむね順調に進展している。 予想を超えた進展をしているのは、産業界とのつながりである。企業の経営者、研究所の所長などに参加していただき(合計50社以上)、これまで9回の研究会を実施した。ここにおいて研究成果の産業界へのフィードバックと、産業界から研究への重要なフィードバックが得られている。この研究会の反響は大きく、ぜひ継続してほしいという要望を多様な企業から受けている。 当初の計画から変更を必要としているのは、日本企業のコラボレーションに対する時系列的な分析のデータベースに関してである。本研究プロジェクトでは大河内賞に関して、1950年代から現在に至るまでのデータを蓄積してきた。しかしながら、その分析の過程において、大河内賞が日本全体のコラボレーションをどの程度代表しているかについて、詳細な検討が必要になってきている。そのため、比較可能なデータベースの可能性を検討している。 上記の2つの点も含めて、全体を通じてはおおむね順調な進展だといえる。これまでの研究の進展を基礎として、平成24年度から徐々に研究成果の発表が見られるようになった。今後、さらなる研究の進展とその成果の発表が見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は次のとおりである。①大量データによる組織化・外部化の歴史的な流れの分析に関しては、大河内賞のデータベースを基に分析を進めるとともに、それを相対化できるような量的なデータの可能性を検討する。 ②組織化・外部化のプロセスの分析に関しては、研究分担者が継続してそれぞれケーススタディを進めていく。 ③組織化・外部化がイノベーションに与える影響の分析に関しては、ソウルでのイノベーションの国際学会であるThird Asia-Pacific Innovation Conferenceにおける発表へのフィードバックを基に、データの修正・追加を行った上で、平成25年度中に論文として投稿する計画である。 本研究プロジェクトの全体の進捗状況と、ケーススタディでの情報共有・分析の方向性についての議論のために、平成25年度9月に研究分担者全員が集まって報告会を行う。また、この報告会以外にもワークショップなどを通じて研究のまとめを行なっていく計画である。
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Research Products
(17 results)