2011 Fiscal Year Annual Research Report
公共圏を基盤にしてのサステイナブルな社会の形成-規範的原則と制御可能性の探究
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23243066
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
舩橋 晴俊 法政大学, 社会学部, 教授 (20111445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壽福 眞美 法政大学, 社会学部, 教授 (60105848)
石坂 悦男 法政大学, 社会学部, 教授 (10007817)
小林 直毅 法政大学, 社会学部, 教授 (10249675)
堀川 三郎 法政大学, 社会学部, 教授 (00272287)
中筋 直哉 法政大学, 社会学部, 教授 (00262064)
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Keywords | 公共圏 / サステイナビリティ / 環境年表 / メディア / エネルギー政策 / コミュニティ / 規範理論 / 原子力 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、2007-2010年度に実施された科研費プロジェクト「公共圏の創成と規範理論の探究」を研究内容の点でも、研究組織の点でも継承する形で、取り組まれている。本プロジェクトの全体的問題関心は、現代社会にとっての喫緊の課題である「サステイナブルな社会」の形成を、公共圏の豊富化を基盤にして、適切な規範的原則の設定により、制御可能性を確立することによって実現する道を探るというものである。五つの班によって、この課題に取り組んでいるが、2011年度における研究の進展と成果は以下のようなものである。 1.基礎理論班。2007年度以来取り組んできた公共圏と規範理論をめぐる基礎理論的諸テーマについて、単行本『規範理論の探究と公共圏の豊富化』(舩橋・壽福編、法政大学出版局)を公刊した。 2.メディア班。東日本大震災、とりわけ、福島原発事故をめぐるテレビ報道がどのように展開されたのかについての情報を体系的に収集し、危機とエネルギー政策をめぐるメディア公共圏のあり方を検証するためのデータ的基礎を確立した。 3.環境年表班。国内外に約100名の協力者のネットワークを形成し、日本語および英語による各国別年表データの体系的収集を行うと共に、中国、韓国、台湾の研究者と意見交換を実施した。また、『原子力総合年表・資料集』のためのデータ収集を行った。 4.エネルギー政策班。日本各地の再生可能エネルギー導入の取り組みを、アクションリサーチの方法で調査するとともに、情報提供による支援を行った。 5.食と農班。東京都多摩地域をフィールドに、「食と農」をコアにしたコミュニティ形成の実践についての調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
総括・基礎理論班が、これまでの研究成果を単行本として公刊するとともに、さらに、三冊の単行本の公刊準備が、着実に進展している。また、個別のフィールドに取り組む各班は、それぞれのデータ収集や調査を予定通り行っている。研究分担者に加えて、広範な研究協力者の組織化が実現しており、そのネットワークを通して、原発震災、世界環境年表、原子力総合年表に関する大量のデータの収集と蓄積が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度以降については、これまでの研究成果を四冊の単行本として公刊することを第一の柱とする。その問題領域は、環境問題、ケア、メディアという三つの個別領域と、現代社会のさまざまな問題の解決を総括的に考察するものとする。また、引き続き、各個別班ごとの調査研究を推進し、『世界環境年表』については、2012年の8月末までに、日本語でのデータ収集を完了させ、2012年度中にそれを英訳する。『原子力総合年表・資料集』については、メディア班、環境年表班、エネルギー政策班の協力により、2012年度中の公刊を目標として、データの収集と整理に、積極的に取り組む。食と農班は、フィールドワークを継続する。
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Research Products
(25 results)