2012 Fiscal Year Annual Research Report
公共圏を基盤にしてのサステイナブルな社会の形成─規範的原則と制御可能性の探究
Project/Area Number |
23243066
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
舩橋 晴俊 法政大学, 社会学部, 教授 (20111445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壽福 眞美 法政大学, 社会学部, 教授 (60105848)
宮島 喬 法政大学, 大原社会問題研究所, 研究員 (60011300)
鈴木 宗徳 法政大学, 社会学部, 准教授 (60329745)
金井 明人 法政大学, 社会学部, 准教授 (30386320)
三井 さよ 法政大学, 社会学部, 准教授 (00386327)
長谷部 俊治 法政大学, 社会学部, 教授 (00523119)
石坂 悦男 法政大学, 社会学部, 教授 (10007817)
小林 直毅 法政大学, 社会学部, 教授 (10249675)
須藤 春夫 法政大学, 社会学部, 教授 (90130749)
藤田 真文 法政大学, 社会学部, 教授 (60229010)
津田 正太郎 法政大学, 社会学部, 准教授 (20434178)
土橋 臣吾 法政大学, 社会学部, 准教授 (50350236)
堀川 三郎 法政大学, 社会学部, 教授 (00272287)
羽場 久美子 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (70147007)
寺田 良一 明治大学, 文学部, 教授 (00163923)
湯浅 陽一 関東学院大学, 文学部, 准教授 (80382571)
大門 信也 関西大学, 社会学部, 助教 (00559742)
茅野 恒秀 岩手県立大学, 総合政策学部, 講師 (70583540)
平林 祐子 都留文科大学, 文学部, 准教授 (30329578)
平塚 眞樹 法政大学, 社会学部, 教授 (10224289)
中筋 直哉 法政大学, 社会学部, 教授 (00262064)
仁平 典宏 法政大学, 社会学部, 准教授 (40422357)
池田 寛二 法政大学, 社会学部, 教授 (60144622)
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Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2015-03-31
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Keywords | 公共圏 / サステイナビリティ / 環境年表 / メディア / エネルギー政策 / 原子力 / コミュニティ / 再生可能エネルギー |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、「公共圏を基盤にして、サステイナブルな社会をいかにして形成するか」「そのための社会制御能力を適切な規範的原則に立脚していかに高めるか」を問題意識の根幹に置いている。このテーマを、基礎理論班、メディア班、環境問題史の国際比較班、エネルギー政策班、食・農とコミュニティ班の五つの班の連携によって探究している。 2012年度においては、各班のこれまでの研究活動の成果として、いくつかの単行本を公刊することができた。基礎理論班では、『ケアのリアリティ』(三井・鈴木編)、環境問題関係では『環境をめぐる公共圏のダイナミズム』(池田・堀川・長谷部編)を、メディア論関係では『メディア環境の物語と公共圏』(金井・土橋・津田編)、エネルギー政策関連では『「むつ小川原開発と核燃料サイクル施設問題」研究資料集』(舩橋・金山・茅野編)が、その成果である。 さらに、引き続き、新しい展開をはかるべく、「メディア班」では、震災問題についての映像報道に焦点をあてつつ、環境アーカイブズの充実に努力した。「環境問題史の国際比較班」では、英文のA World Environmental Chronology(WEC)に注力し、20カ国からの海外協力者も得て、2012年度末で、110カ国の英文国別環境年表を作成することができた。「エネルギー政策班」では、一方で原子力政策の問題点を解明するための基礎資料として「原子力総合年表」の公刊準備を大幅に進捗させた。他方で、再生可能エネルギーの導入による地域振興を課題として、「統合事業化モデル」の形成に取り組んだ。また、とりわけ被災地の再建支援の実践として、南相馬市における住民団体による再生可能エネルギー事業の取り組みに対して情報提供を通して支援した。「食・農とコミュニテイ班」は各地での調査を通して、情報収集を続けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の単行本として、これまでの研究成果がまとまってきている。 さらに、『原子力総合年表』および、A World Environmental Chronology というスケールの大きい複数の公刊企画を準備中であるが、多数の協力者の情報収集の努力が効果的に集積されつつあり、着実に進展している。理論研究の面でも、本プロジェクトの掲げる問題意識が、東日本大震災以後の日本社会にとって、不可欠であることが、一連の研究活動から、ますます明確になってきており、これまでに公刊した諸単行本に対しても、活発なリアクションを得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、現在の研究体制で、複数の単行本公刊企画を結実させる。2013年度は、二つの大きなイベントを企画する。第一に、環境問題に関する放送ジャーナリズムのあり方を、これまでの代表的なドキュメンタリー番組の集中かつ連続的上映会を行いつつ、その制作に関与した放送ジャーナリストを呼んで、研究者および市民との討論会を行う。第二に、「原子力政策をめぐる公共圏のあり方」を主題として、ドイツにおけるエネルギー政策の転換について、政策内容と政策決定過程に注目した国際シンポジウムを企画する。これらの成果は、政策形成の取り組み態勢のあり方についての提言として、各方面に情報発信していく。とくに、研究代表者は、日本学術会議ならびに市民団体が構成する政策検討の場において、それぞれ公論形成に重要な一定の役割を担当することになったので、本プロジェクトの成果を、より広い公論形成の場に投げかけ、それとの相互作用のもとに、研究の深化をはかる。
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Research Products
(15 results)