2014 Fiscal Year Annual Research Report
ウルトラ・ビスタによる初代銀河と宇宙再電離の観測的研究
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23244031
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
谷口 義明 愛媛大学, 宇宙進化研究センター, 教授 (40192637)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 / 宇宙再電離 |
Outline of Annual Research Achievements |
UltraVISTAはESOのVISTA望遠鏡(口径4mの近赤外線サーベイ専用望遠鏡)による近赤外線ディープサーベイ・プロジェクトである。観測天域はハッブル宇宙望遠鏡の『宇宙進化サーベイ(COSMOSプロジェクト)』の天域内に設定されており、次の3種類のサーベイを行ってきている。[1] ディープサーベイ、[2] ウルトラ・ディープサーベイ、及び [3] 狭帯域フィルターサーベイ。使用しているフィルターは広帯域がY、J、H、及びKs、狭帯域はNB1185(ライマンα redshiftはz=8.7)である。観測は現在も進行中であるが、2014年1月(チームメンバーへの公開は2013年11月)にDR2(Data Release 2)を公開した。それに基づき、日本天文学会秋期年会で2つの講演を行い、UltraVISTAの進捗状況をコミュニティに周知することが出来た。また、赤方偏移z=4の宇宙における銀河の質量獲得の物理過程について、論文を一編出版した(Aastronmy and Astrophysics, Vol. 556, 55)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DR2 (Data Releas 2の公開を行い、銀河進化に関する貴重なデータをコミュニティに提供すると同時に、高赤方偏移宇宙における銀河進化に関する研究を推進することが出来た。この成果はクロアチア共和国のザグレブで開催された『宇宙進化サーベイ研究会』で公表し、多くの関心を集めることが出来た。また、UltraVISTAと関連するCOSMOSプロジェクトでも研究成果を公表することができた。特に、すばる望遠鏡の広視野カメラ Suprime-Camに我々が開発した中帯域フィルターを使用した広域サーベイでは、従来にない強い輝線強度を持つ数千個の銀河のサンプルを構築することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は2015年7月までに取得する新たなデータを加え、DR3 (Data Release 3)を公開する。この新たなデータに基づき、以下の研究成果の取りまとめを行う。(1) 高赤方偏移 z=7の銀河の光度関数の研究を推進する。なお、DR2のデータに基づく成果は既に論文として交渉済みである (Monthly Notices of Royal Astronomical Society, Vo. 440, 2810)。 (2) 高赤方偏移 z=2 の銀河の進化経路に関する系統的な研究を推進する。この研究は星生成銀河から星生成を停めて静的に進化する銀河へ遷移する物理過程を研究するものであり、現在多くの研究者の注目を集めている研究テーマである。
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Research Products
(20 results)