2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23247044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
綿貫 茂喜 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (00158677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 博樹 北里大学, 医学部, 准教授 (40401228)
金 よん奎 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (50432886)
星 良和 東海大学, 農学部, 准教授 (70332088)
近藤 隆一郎 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80091370)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | mtDNA多型 / 寒冷適応 / 低圧適応 / 季節性順応 |
Research Abstract |
ヒトの表現型の一つに生理的多型が在る。生理的多型に影響する要因として遺伝要因、環境要因、文化要因が知られているが、生理的多型を遺伝要因から探った研究は少ない。そこで本研究では、寒冷環境や低圧環境等の種々の環境下での生理値を測定し、mtDNA多型(ミトコンドリアハプログループ)と現代日本人の生理反応に焦点を当て、生理的多型の遺伝要因を明らかにすることを目的とした。 本年度では4000m相当の低圧環境下における生理的多型について、mtDNA多型の影響があることが明らかになった。すなわち、日本人で多いDグループでは4000m相当の低圧に曝露した際に、他のグループに比べて高山病の指標の一つとなるSPO2(経皮的酸素飽和度)が高かった。これはDグループが高地でも他のグループに比べ、中枢や末梢へより酸素を送れることを意味し、低圧環境での適応能に優れることを示唆した。またそのためにDグループは換気量が大きい傾向があり、SPO2を高く維持する一因となることが考えられた。一方で、これらの生理的多型を全てmtDNA多型で説明することは難しく、mtDNAは集団構造を持つことも考えられるため、他の遺伝子に関しても検討しなければならない。すなわち、国際HapMap Projectの研究成果から推定される基礎代謝関連候補遺伝子及び高地適応関連候補伝子のハプロタイプ連鎖不平衡解析と関連解析(独立性の検定)を組み合わせた解析を行い、諸生理値と他のSNPの関連性を探る。最終年度である次年度では、これまでに集めた生理データの母数を増やしつつ、上記の解析を進め研究を総括する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画は達成され、論文投稿、学会発表ともに順調に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
諸生理値と基礎代謝関連候補遺伝子・高地適応関連候補遺伝子のハプロタイプ連鎖不平衡解析を行う。
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Research Products
(7 results)