2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23248048
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
若山 照彦 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (40360672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 英二 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (80443034)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クローン / 核移植 / 絶滅動物 / 染色体 / 発生工学 |
Research Abstract |
平成25年度は、山梨大での研究室セットアップを兼ねて、核移植の基本技術についてブラッシュアップを行い、クローン個体の出産率を高めるための基礎研究を行った。一方、より高度な技術である単一染色体移植方法については、山梨大での再現実験を行い、同時に改良を試みた。またマウスの毛皮やラットの凍結死体からダメージの少ない核の取り出し方法も引き続き検討した。これらの基礎研究によって、通常の核移植で使われているサイトカラシンの代わりにラットAという試薬を用いることで、核移植胚におけるアクチンフィラメントの異常が軽減され、出産率を2倍近くまで改善することに成功した。単一染色体移植方法は、この技術自体がこれまでなかった全く新しいものであり、再現性に問題があった。今回、染色体を識別するための蛍光ラベル抗体の処理をデメコルチン処理の後に行うと、効率よく染色体を取り出せることが明らかとなった。しかし、取り出した染色体を卵子あるいは胚へ移植する方法は、様々な方法を試みたが未だに最適な方法は確立していない。どの様な条件で卵子あるいは胚が外来染色体を受け入れるのかは26年度の課題とした。一方、室温保存した毛皮、及び糞からの核の取り出し方法については、回収率に問題があるものの、毎回確実に核を得ることができるようになってきた。毛皮の核はある程度の発生能を保持しているが、糞内の核はまだ一度も発生させることに成功していない。これも次年度の課題とする。 一方、2006年から続けてきた連続核移植実験の結果を一流誌へ発表することができた。この成果は国内外で広く紹介された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の異動の影響で実験があまり順調ではなかったが、実験計画を練り効率よく進めたため、一流雑誌も含め自信のある論文を発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
異種の外来染色体をマウス卵子/胚がどのような条件の時に受け入れるのか明らかにする。これは移植の時間を細かく区切り精密な実験を行うことで対応する。一方、毛皮と糞の核を使ったクローン胚の発生が悪いことについては、核移植前に核へ薬品処理を行う。具体的にはデタージェントなどで固化したタンパクの除去、エピジェネティック修飾の改変、細胞骨格系のサポートなどである。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Successful Serial Recloning in the Mouse over Multiple Generations.2013
Author(s)
Wakayama S, Kohda T, Obokata H, Tokoro M, Li C, Terashita Y, Mizutani E, Nguyen VT, Kishigami S, Ishino F, Wakayama T
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Journal Title
Cell Stem Cell
Volume: 12
Pages: 293-297
DOI
Peer Reviewed
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[Book] 繁殖生物学2013
Author(s)
若山照彦
Total Pages
290-301
Publisher
日本繁殖生物学学会編 インターズー(東京)
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