2011 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性TRPM2チャネルの活性制御機構と免疫応答への関与の解析
Project/Area Number |
23249012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
富永 真琴 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90260041)
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Keywords | 生理学 / 神経科学 |
Research Abstract |
(1)過酸化水素によるTRPM2分子の酸化的修飾の証明 主にシステインに働く酸化剤ではなく、メチオニンに働く酸化剤で過酸化水素によるTRPM2の熱に対する感作(活性化温度の低下)をmimicできたこと、その感作がinside/out単一チャネル電流記録で観察できたことから、過酸化水素はTRPM2のメチオニン残基を直接酸化して作用しているものと考えられた。 (2)過酸化水素依存的なTRPM2チャネル温度感作に関わるアミノ酸の同定 ヒトとマウスで保存されている21個のメチオニンをそれぞれアラニンに置換するTRPM2点変異体を作成し、Ca^<2+>-imaging法を用いて過酸化水素によって活性化温度閾値が低下するかどうかを検討したところ、214番目のチオニンをアラニンに置換した点変異体でのみ過酸化水素処置による活性化温度閾値の低下が観察されなかった。よってマウスTRPM2の214番目のメチオニンが関わると結論した。 (3)マクロファージ様細胞株におけるTRPM2機能の検討(過酸化水素と温度の相乗作用の検討) マウス白血球由来細胞株であるRAW264.7細胞ではTRPM2活性化によると思われる過酸化水素による細胞内Ca^<2+>濃度上昇をクリアーに観察できなかった。 (4)マウス腹腔マクロファージの採取とTRPM2発現の確認 C57/black6系統マウスの腹腔マクロファージにおいて異所性発現系で見られたのと同じような過酸化水素による温度依存性細胞内Ca^<2+>濃度上昇の感作が起こることを観察し、それがTRPM2欠損腹腔マクロファージでは起こらないことを確認した。よって、TRPM2の過酸化水素による感作は生体内でも起こっていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
TRPM2欠損マウスで過酸化水素による温度依存性細胞内Ca^<2+>濃度上昇の感作がみられなかったことから、TRPM2の個体レベルでの関与を明確にでき、腹腔マクロファージの機能解析をスムーズに進め得た。
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Strategy for Future Research Activity |
腹腔マクロファージの機能解析を進め、個体レベルでの過酸化水素によるTRPM2感作の生理的意義を明らかにしていきたい。
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Research Products
(2 results)