2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23252008
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
薛 進軍 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (40262399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 正 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60329844)
臼井 恵美子 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (50467263)
安達 貴教 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (50515153)
萬行 英二 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30421233)
本台 進 神戸大学, 国際協力研究科, 名誉教授 (70138569)
厳 善平 同志社大学, グローバルスタディース研究科, 教授 (00248056)
戴 二彪 公益財団法人国際東アジア研究センター, 研究部, 研究員 (20300840)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ルイス転換点 / クズネッツ転換点 / ミクロデータ / 中国 / 所得格差 / 国際比較 / 労働移動 / CHIP |
Research Abstract |
本研究は,中国で実施されるパネル調査に参加し,得られたミクロデータに基づいてルイス転換点とクズネッツ転換点を検討し,それらが中国経済と国際経済に与える影響を分析することを目的とする。 平成25年度の主要な成果としては,研究代表者,分担者,協力者が「シンガポール経済レビュー」特集号(2014年3月公開http://www.worldscientific.com/toc/ser/59/01)に両転換点に関連する研究成果を発表したことが挙げられる。具体的には,OECD諸国では経済成長と所得平等化を両立させるために教育政策などが重要であること,中国で拡大する所得格差に対処するには農村・都市間の労働移動の円滑化が必要であること,インドでは出稼ぎ者が都市労働者より高い所得を得ており,両者の教育水準がその差を説明することを指摘した。また,近年のタイ経済はクズネッツの逆U字曲線の後半部に位置しており,標準的なルイスモデルでは説明が困難であること,インドネシアの稲作農業における労働限界生産物と所得格差指標の関係から,余剰労働が消滅した地域において所得格差は改善すること,中国の農家世帯主が所得改善のために賃金労働に従事しないのは就労意欲の低さに起因することも指摘した。 これらの成果に加えて,米国レヴィ経済研究所,一橋大学経済研究所との合同ワークショップ,同志社大学での国内研究会を開催することにより,中国で実施された最新のパネル調査結果に関する理解を深め,新たな方向(時間利用に関する貧困指標の考察,日本の所得格差分析のためのミクロデータの入手)からルイスおよびクズネッツの転換点の分析に接近することを試み,本研究課題のさらなる推進のために新たな研究ネットワークを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)昨年度に引き続き,本年度についても新たなCHIPデータを入手できている。また,「シンガポール経済レビュー」誌に発表した研究成果から,クズネッツ転換点とルイス転換点の関係を説明する手掛かりを得ている。さらに,合同ワークショップと国内研究会の開催を通じて,本課題に関する新たな協力者,新たな視点を追加しており,当初の課題の解決へ向けて順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに入手した中国の世帯所得調査の最新データの整理をおこない,労働移動と所得格差の分析を中心に研究を進める。また、世界銀行の貧困・格差データおよび必要に応じて他国データの入手もおこない,引き続き国際比較の視点からも課題を考察する。さらに,研究成果を広めるため,英語・中国語だけでなく,日本語での研究成果の発信も取り入れていく。
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Research Products
(35 results)
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[Book] Low--carbon Economics2013
Author(s)
Jinjun Xue (ed.) Kaya Yoichi, Ross Garnaut, Shouzao Nishioka, Angang Hu, Shijin Liu
Total Pages
453
Publisher
World Scientific
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