2014 Fiscal Year Annual Research Report
海溝域浅部低周波現象の検出と発生過程の解明 -カスカディアにおける海底地震観測-
Project/Area Number |
23253005
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
小平 秀一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地震津波海域観測研究開発センター, 研究開発センター長 (80250421)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地震 / カスカディア地震発生帯 / 沈み込み帯 / スローな地震 / 海洋地殻 |
Outline of Annual Research Achievements |
9月下旬から10月にかけて、カナダ沿岸警備隊観測船を用いて、前年度設置した海底地震計の回収を行なった。回収直前に地元船舶により回収された1台を含み、設置した全点の海底地震計を無事回収し、良好なデータが取れていることを確認した。その後、得られたデータの解析を進めた結果、観測期間中のカスカディア沈み込み帯では、南海トラフで観測されたような低周波地震は発生していないことを確認した。本プロジェクトの最終目的はカナダカスカディア地震発生帯における低周波地震発生の有無を長期海底地震観測から明らかにすることであり、今後、陸上データとの統合データの精査が必要ではあるが、上記結果により当初目的を達成できたと考える。一方で、観測領域北側の断層帯では当初予想より高い地震活動が確認され、それらのデータを用いてプレート境界形状や発生した地震の発震機構を高精度で決定することができた。これは、当初予定していなかった成果であるが、本プロジェクトによって得られた重要な知見であった。 これらの研究成果は、本プロジェクトを総括した論文として、米国地震学会誌に投稿し受理され、さらに国際ワークショップにおいても発表し、今後のカスカディア沈み込み帯研究の方向性検討に役立てられた。 また、海底地震計で観測されたノイズ部分のデータを解析することにより、堆積層内の異方性構造の解析が可能であることを明らかにし、その成果を国際ワークショップで発表した。ノイズを使った構造・異方性解析研究は本プロジェクト申請時には想定していなかった成果であるが、今後のOBSデータの活用を検討するうえで重要な知見であり、本プロジェクトによる成果の一つとして強調したい。 最後に、本年度をもって本プロジェクトは終了するが、本プロジェクトを通して確立したカナダ側研究者とよい協力関係を継続することによって、今後の新たな研究立案に役立てていきたい。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Earthquake Activity in Northern Cascadia Subduction Zone Off Vancouver Island Revealed by Ocean‐Bottom Seismograph Observations2015
Author(s)
Obana, K., Scherwath, M., Yamamoto, Y., Kodaira, S., Wang, K., Spence, G., Riedel, M., and Kao, H.
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Journal Title
Bull. Seismol. Soc. Am
Volume: 105
Pages: 489-495
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] SeaJade:カナダ・カスカディア地震発生帯における海底地震観測2015
Author(s)
尾鼻浩一郎・小平秀一・山本揚二朗・高橋努・利根川貴志,Kelin Wang, Michael Riedel, Honn Kao, Martin Scherwath, George Spence, Jesse Hutchinson, Ayodeji Paul Kuponiyi, 寺田育正・西條暁里
Organizer
Blue Earth’15
Place of Presentation
東京海洋大学品川キャンパス、東京都港区
Year and Date
2015-03-20
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[Presentation] SeaJade Earthquake Observations in Cascadia Subduction Zone off Vancouver Island2014
Author(s)
Koichiro Obana, Shuichi Kodaira, Yojiro Yamamoto, Tsutomu Takahashi, Kelin Wang, Michael Riedel, Honn Kao, Martin Scherwath, George Spence, Jesse Hutchinson, Ayodeji Paul Kuponiyi, Michael Bostock
Organizer
IRIS Amphibious Array Facility Workshop
Place of Presentation
Snowbird, UT, United States
Year and Date
2014-10-24
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