2012 Fiscal Year Annual Research Report
近代地方公文書アーカイブズの構造と情報に関する学際的総合研究
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23300091
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
白井 哲哉 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (70568211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 泰 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20323222)
綿抜 豊昭 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30211676)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 人文社会情報学 / 歴史情報 / アーカイブズ / 公文書 / 日本史 / 近現代史 / 地方自治体 |
Research Abstract |
本研究における平成24年度の活動は、引き続き旧砂川村役場公文書群を主な調査研究対象として、毎月1回の定例資料調査会及び研究会を開催した。 まず平成23年度からの継続作業として、旧砂川村役場文書群のうち庶務関係簿冊の調査及び件名目録作成を行い、平成24年5月に『旧砂川村(砂川町)役場文書群目録稿 件名目録(庶務関係)』を刊行し、これをもって研究対象の概要調査を一段落させた。 続いて研究メンバーによる公文書群の詳細な分析作業を本格化させ、平成24年9月からは下記のとおり研究中間発表会を開催した。 ○9月9日:今井勇「砂川闘争と原水爆禁止運動~反基地の論理と反原水爆の論理~」増田昭子「近代における行政災害施策について」,○10月14日:保坂一房「工場票にみる砂川の産業」佐藤誠「役場文書に見る砂川の在来産業(仮)」,○11月11日:森脇孝広「砂川闘争と高度成長期前半の都市化による変化、土地の移動」相川 陽一「反基地闘争をめぐる「共感の構造」の構築~激励電報回覧綴を手掛かりにして~」,○12月9日:大石三紗子「旧砂川村役場文書による旧村町の組織分析について」冨善一敏「明治36年砂川村事務引継目録について」高江洲昌哉「役場文書の編綴の構造についての一考察~明治期砂川村の兵事関係文書を中心にして~」,○2月10日:楢崎茂彌「砂川村戦時災害見舞金支給要綱について(仮)」小松大介「荷車税~荷積小車・荷積大車~」沖川伸夫「敗戦後の砂川村勤労者組合の軌跡~砂川闘争につながる断面~」 このほか、旧砂川村在住の地域住民からの情報収集を兼ねた研究成果講演会「役場文書が語る砂川闘争」を、平成25年1月13日に立川市砂川学習館で開催した。参加者は65人で、発表は次のとおりである。相川陽一「応援電報が語る砂川闘争」今井勇「砂川闘争にみる反基地と反原水爆」森脇孝広「都市化のなかの砂川闘争~土地の移動に注目して~」。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究が最初に取り組んだ旧砂川村役場文書群の概要調査は、当初の予定よりも早く平成24年の当初にほぼ終了することができた。本年度実施した研究会は、当初年3回程度を予定していたが、結果は計5回12人の研究発表を得ることができた。また平成24年度に予定した研究成果公表のためのフォーラムは、旧砂川村在住の地域住民からの情報収集を兼ねた講演会として、立川市教育委員会との共催で開催することができた。当日は多くの参加者から有益な質問・意見が出されたほか、講演会終了後も各報告者へ対して現在もさまざまな情報提供がが寄せられている。 このほか、旧砂川村役場で作成・保存していたと思われる昭和35年~37年頃の新聞記事スクラップブック20冊、現立川市役所で保存されていない旧砂川町の広報誌、昭和10年代の旧砂川村議会の文書資料などが地域住民から提供された。これらは今まで確認されていなかった新出資料であり、各メンバーの研究を促進することができた。なお、新聞記事スクラップブックについては、昭和35年の分の一部について複製を作成し、新聞記事目録を作成した。 このように平成24年度における本研究は、当初の計画を上回る活動を展開するとともに、当初予定しなかった新資料の発見によりおおきな進展を得ることができたと評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は最終年度であるので、平成24年度に引き続き資料調査会及び研究会を続けるとともに、年度末に研究成果報告書を作成することとする。おおよその予定は、10月まで毎月1回の定例資料調査会を続け、10月末に研究成果報告書の原稿について各メンバーから提出を求め、平成26年3月に刊行する。 このほか、研究成果公表のための講演会・シンポジウム等を、立川市教育委員会及び関係学協会との共催により3回程度実施する。現在のところ、中心研究領域については10月頃、副次的研究領域については9月及び12月頃を予定し、関係団体及び関係機関と調整を開始するところである。 さらに、本研究の過程で得られた様々な成果については、各メンバーが上記の活動とは別に公表する準備を進める。
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Research Products
(2 results)