2012 Fiscal Year Annual Research Report
動的脳活動の非侵襲計測データ統合解析に基づく高次視覚認知のデコーディング技術
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23300102
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
岩木 直 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究グループ長 (70356525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 敏晴 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 室長 (30344170)
熊田 孝恒 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, ユニットリーダー (70221942)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MEG / fMRI / 脳領域間連関 / 3次元物体 / 心的操作 / 頭頂葉 / 側頭葉 / 高次視覚野 |
Research Abstract |
本研究では,脳内の様々な領域の協調的活動によって実現されている高次かつ主観的な視覚体験の神経機序を解明するためのツールとして,脳活動の時空間ダイナミクスと領域間相互作用データから高次視覚体験の神経情報を復号化(デコード)する技術の確立を目標としている.とくに,3次元物体知覚の神経基盤である,高次視覚野の活動をMEGとfMRIを用いて高精度に可視化し,それをもとに各領域間の連関を解析して,この領域間連関から3次元物体知覚のデコーディングを試みる. 今年度は,昨年度までに開発したMEGとfMRIデータを統合することによる高解像度の脳活動可視化技術と,脳領域間の連関を因果モデリング技術で推定する技術の妥当性を評価するため,3次元物体の心的操作課題のMEGとfMRI被験者実験を行い,MEG・fMRIデータと各被験者の3次元図形の心的操作パフォーマンスの計測を行った.得られたMEG・fMRIデータそれぞれに対するデータ解析を行い,3次元図形の心的操作にともなって,腹側・背側両視覚情報処理経路上の領域,とくに後頭頭頂部(parieto-occipital region),状頭頂部(superior-parietal region)および後側頭葉下部(posterior inferior-temporal region)が活動していること,さらには3次元図形の心的操作パフォーマンスと頭頂部におけるγ帯域自発脳活動強度が有意に相関していることを示す結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度には,目標であるMEGとfMRIデータの統合解析による脳活動の高精度解析・可視化技術と因果モデリングを用いた脳領域間連関解析技術の開発が順調に進捗し,さらに平成24年度には3次元物体の心的操作課題の遂行パフォーマンスとMEG・fMRIデータの取得が予定通り行われた.また,平成24年度には,3次元物体の心的操作課題に対応する脳活動部位が特定され,さらにこれらの部位のうち課題遂行パフォーマンスと有意な相関を持つ部位があることを示唆する結果を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度にこれまでに開発した脳活動の高精度可視化技術と脳領域間連関解析技術を,今年度までに計測した3次元物体の心的操作課題に対応するMEGおよびfMRIデータに適用し,3次元物体の心的操作の神経ダイナミクスを得る.その後,領域間連関パラメータと心的操作パフォーマンスとの相関関係を解析するとともに,主観的な3次元知覚変化を評価するための課題設計を行う.最終年度には,この3次元知覚変化評価課題から得られるMEG・fMRI実験データから,主観的知覚変化を復号するデコーダを開発する.
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Research Products
(28 results)