2011 Fiscal Year Annual Research Report
時空間現象データの統計モデリングと当該現象の定量的把握の研究
Project/Area Number |
23300106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西井 龍映 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (40127684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 章司郎 鳥取大学, 総合理工学部, 教授 (00197427)
小西 貞則 中央大学, 理工学部, 教授 (40090550)
清水 邦夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60110946)
前園 宜彦 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30173701)
増田 弘毅 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (10380669)
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Keywords | ARXモデル / モデル選択 / 方向分布 / 確率微分方程式モデル / 密度推定 / 非線形回帰モデル / 環境データの統計モデリング |
Research Abstract |
本研究の目的は実際の時空間現象から得られる種々のデータについて,統計モデルの開発と評価を通して,当該現象の特徴を把握することである.今年度得られた研究成果は次の通りである. 1)自己回帰成分を持つ時系列的回帰モデルで,自己回帰の次数,説明変数や時間遅れ次数を選択する問題について,a)重み付き最小2乗法による母数推定によるGIC基準を求め,b)車両運転装置に応用する装置を開発した. 2)森林被覆率を人口密度と起伏量で説明する空間依存性をもつ柔軟な非線形回帰モデルを考察した.これは従来のパラメトリックな平均構造で記述されるモデルを大きく改良することがわかった. 3)強い太陽風が地磁気に影響を及ぼし,地震のトリガとなっているとの仮説を統計的に検証した.そしてマグニチゴード3-4.9の全球の地震エネルギーを予測する決定係数が50%以上のARXモデルを得た.また太陽風の速度が重要な説明変数であることがわかった(発表準備中). 4)離散型非対称分布としての一般化非心負の二項分布の構成と分布の性質について調べた。また、時空間現象としての海面水位の予測のために角度データである風向を取り入れたモデル化、および軸分布の構成について研究した。 5)任意次元の確率微分方程式モデルからの高頻度データに基づいた正規型疑似尤度推定について,多項式型大偏差不等式を介し,推定量のモーメントの収束まで導出した. その他,統計モデルの選択法や確率密度のカーネル推定についても研究成果を上げている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
森林被覆率,地震,海面水位といった現実の時空間データに対する統計モデリングの開発・応用を考察し,研究論文として発表できているため,予定通りの研究成果を上げていると自己評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
環境に関する時空間データへの統計モデリングについて研究を進める.まず森林被覆率の非線形回帰モデリングについては,・多時期のデータについての考察がほぼ終わっているので,それを論文として発表すること. ・改訂要求が届いた投稿論文を改訂することが直近の課題である.また地震の予測モデルでは,最適モデルを網羅的に探索し,また余震等の影響を除いた場合の予測モデルの高精度化を検討する.現在の地震予測モデルはマグニチュード5以上の地震には無力であるので,このような地震について有効なモデルを種々の統計モデルから探索する.
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