2013 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質・糖鎖相互作用予測システムおよびデータベースの開発
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23300109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 謙多郎 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80178970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 透 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40359641)
角越 和也 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (90431832)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タンパク質 / 糖 / 相互作用 / バイオインフォマティクス / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に引き続き、SVMを用いて配列情報のみからタンパク質の糖鎖結合部位を予測するシステムを開発した。タンパク質に結合する糖を、そのタンパク質結合部位に現れる糖結合残基の組成をもとに、酸性の官能基を持つ酸性糖と、酸性の官能基を持たない非酸性糖の2つに分類し、それぞれの結合部位を予測するシステムを開発した。データセットとして使用した各アミノ酸配列について、NCBIの非冗長データベースを対象にPSI-BLASTを実行し、作成されたマルチプルアライメントを基にPSSM(位置特異的スコアマトリックス)を計算し特徴量として用いた。酸性糖と非酸性糖の結合部位の予測器を、それらのdecision valueの線形結合により結合することで新たな合併予測器を開発した。その結果、酸性糖の場合は酸性糖で学習させた予測器、非酸性糖の場合、および酸性糖か非酸性糖か最初からわからない場合は、合併予測器が最も高い性能を示した。糖鎖修飾予測手法については、Protein Data Bankを探索し、糖と1.5Å以内に近接した残基および共有結合している糖を収集して学習データセットを作成し、SVMによる予測を行った。その結果、予測精度のAUC値が0.6程度と、糖鎖結合残基予測に比べて十分な性能が得られなかったが、今後は、天然のリガンドかどうか、クリスタルパッキングが生じていないかなどを考慮して、学習データセットの見直しを行うとともに、予測に有効な配列特徴を検討する予定である。結合する糖の予測では、代表的な糖に対して網羅的に結合予測を実施し、最も結合のスコアの高いものを候補とする手法を新たに開発した。さらに今年度は、昨年度開発したリガンド結合タンパク質の構造データベースに対して、RDF化を行い、セマンティックWebの技術を用いて、UniProt、PDBとの統合を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すべて当初の計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は、計画通りに進展しており、今後も継続して研究を推進していきたい。本研究で開発したツール、データベースを統合する方策を検討するとともに、Webインタフェースを充実させ、本研究の成果を一般に利用できるようにしたいと考えている。
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