2011 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ医科学サポート活動を通じたトレーナー教育システムの構築
Project/Area Number |
23300223
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
山本 利春 国際武道大学, 体育学部, 教授 (30182637)
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Keywords | スポーツ傷害 / アスレティックトレーナー / 医科学サポート活動 / 体育系大学 / メディカルチェック / 傷害予防 / リコンディショニング / トレーナー教育 |
Research Abstract |
競技選手が多い体育大学では、スポーツ傷害の発生頻度が高く、傷害予防や受傷後のリハビリなどのニーズが高い一方、トレーナー志望の学生も数多く、競技選手のコンディショニングを担う実地経験を積みたいというニーズがある。そこで本研究では、両者のニーズを合わせて、学生主体のスポーツ医科学サポートシステムを構築し、体育大学における独自のトレーナー教育システムを確立することを目的とした。 本年度は、これまで実施してきた「学生によるスポーツ医科学サポートシステム」を再検討し、主に傷害予防とリコンディショニングを中心に進めた内容として、新入生のメディカルチェック、各運動クラブのトレーナー活動、リコンディショニングルームでの傷害後の競技復帰支援活動、各種学生選手対象講習会、学外のトレーナーステーション活動等の活動に加え、学内のトレーニングルームを本格的に稼動し、体力強化トレーニングを積極的に導入し有効活用した医科学サポート活動をシステム化した。 特に体育大学の新入生に対するメディカルチェックの検査項目について、その評価・フィードバックシステムを構築する必要性から過去25年間の測定結果を集計して評価基準の基礎資料を作成した。 また、学生のトレーニングリーダーが各運動部の体力強化を積極的に進める、学生ストレングス&コンディショニングコーチ制度の取り組みをシステム化した。競技特性に合わせた体力強化トレーニングの効果的な実施法とそのトレーニング処方のための体力測定項目を明らかにするために、いくつかの運動部の体力測定を継続的に実施し、体力強化面からの医科学サポートのモデルケースとして学内報告会を開催し検討した。 学生による学内スポーツ医科学サポートが、学内のスポーツ選手のコンディショニング管理あるいは競技力向上にどのような有効性があったかについても対象学生の意識調査や医療機関受診率などの観点から各種データを解析して分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災の関係で(1)学内のスポーツ活動や授業開始が一部遅延あるいは制限されていたこと、(2)予算の交付が遅れたこともあり研究開始が遅れたこと、などから当初の計画よりもスタートが遅れたため。しかしながら、研究の全体には大きな支障をきたしておらず、2年目の24年度には計画通り進行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまで実施してきた「学生によるスポーツ医科学サポートシステム」を再検討し、主に傷害予防とリコンディショニングを中心に進めた内容を維持しつつ、体力測定に基づく体力強化指導を積極的に導入した医科学サポート活動を構築していく。特に傷害予防や体力強化トレーニングの指導と、競技特性に合わせた体力測定と動作分析を連動させ、より効果的なスポーツ医科学サポートシステムへと展開させる。また、本研究において主に昨年度まとめたスポーツ医科学サポートシステムの成果を学会や教育機関に情報発信していく。
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