2012 Fiscal Year Annual Research Report
幼少年期のライフスタイル改善教育および体力向上プログラム導入の追跡的研究
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23300224
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 和弘 山形大学, 教育文化学部, 教授 (20327183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏哉 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (60412376)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ライフタイル調査 / 授業プログラムの効果 / 中学生の体力、学力 / HQCの実践とその効果 |
Research Abstract |
本研究では,幼少年期(3~15歳頃)の子どもを対象に発達段階に応じたライフスタイル改善教育及び体力向上プログラムを提供し,保護者からの評価も含めてその有効性を検証するとともに,同一集団を数年にわたって追跡し,彼らの健康や体力向上に関与する諸要因を明らかにすることを目的とした.本研究は現在も進行中であるが,過去2年間に亘る研究から得られたおもな成果は次の通りであった. 1) HQCの導入による幼児を対象とした運動遊びと生活改善を意図した試みから,保護者の意識に変化が認められた.その結果,HQCの活用を通して,幼児の生活に改善が認められた.また,運動遊びの継続を通して投動作等に質的変容の傾向が認められた. 2) 小学校低学年を対象とした走動作の改善を意図した授業プログラムを開発し,体育授業でその効果を検証した.実験群と統制群の比較から,実験群では50m走後半の疾走速度が低下しないことが明らかとなった. 3) 中学生を対象とした体力とライフスタイル調査から,体力上位群では全般的に好ましいライフスタイルを有していることが示唆された.また,新に収集した学力と体力との関連を検討したところ,学力上位群(上位25%)の体力は,下位群(下位25%)に比べ有意な傾向にあることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の現時点での達成度は,全体として(2)評価に該当すると思われる.そのおもな理由は,下記に示す通りである. 1) 研究フィールドなる幼稚園や保育園、小中学校の協力を得ることができている.したがって,必要なデータ収集を行うことが可能となっている.また,小中学校での協力校が若干増加した. 2) 同一地域内の幼児から中学生までを縦断的に追跡できる体制が整いつつある.したがって,開発してきたプログラムの適用を通して,発育・発達に伴う体力やライフスタイル変容に関する縦断的研究を行う可能性が高まってきた. しかし,全体としては標本数が十分と言えない.また,介入実験的な多様な運動プログラムの開発や保護者への情報発信等の方法を検討しなければならない.データの蓄積に伴う解析方法や手順については,今後の研究遂行上の課題である.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では2年間の成果と課題を踏まえ,おもに中学生を対象としたライフスタイル調査内容の見直しと修正を行った.その調査を小学校高学年や高校生にも適用する予定である.既に体力テストデータも収集しているが,併せて学業成績のデータ収集も行い,体力と学力の関連,その両者とライフスタイルとの関連を検討する. 次に,児童生徒の体力向上に関わる学校体育を中核とした授業プログラムの開発は継続していく.同時に幼児の体力向上を図るためのプログラムも検討する.幼児向け体力テストの実施に合わせ,その動作をVTRに収録し,その分析も試みる.これは動作発達の変容過程を明らかにしていくものである. ライフスタイルの改善に資するHQC手法を協力校の実態に応じて,小中学生にも適用し,その効果についても検討する.さらに同一地域内における縦断的研究を可能な範囲で推進する.
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Research Products
(3 results)