2012 Fiscal Year Annual Research Report
健康長寿を実現する至適身体活動パターンの解明:加速度計を用いた10年間の縦断研究
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23300259
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
青柳 幸利 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (50202495)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 加齢・老化 / 日常身体活動 / 健康長寿 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、地域高齢者の健康増進や疾病予防(メタボリックシンドローム・骨粗鬆症・サルコペニア・動脈硬化・転倒・うつ病など)に最適な日常身体活動(運動や睡眠など全てを含む)の量・質・タイミングなど総合的パターンを確立し、老化予防や健康長寿を実現するに足る身体活動を明らかにすることである。さらに、歩数計/加速度計のようなデジタル技術を駆使して日頃の生活行動を客観的かつ精確にモニターし、さまざまな基準や影響に照らして個人の活動情報を電子的に評価・フィードバックすることによって、実現実効性に優れた健康長寿の支援システムの開発を目指す。 本年度は、特に日常身体活動(歩数および中強度活動時間)とメタボリックシンドロームとの関係について縦断分析を行った。その結果、当該病態への罹患率を抑えるための至適活動閾値は、男女とも歩数>8,000~10,000歩/日かつ/または中強度活動時間>20~30分/日であった。また、年間身体活動データを四分位群に分類して、Cox比例ハザードモデルによって多因子(年齢、性別、メタボリックシンドローム因子数)で調整された相対危険度を計算したところ、日常身体活動の量と質が高い高齢者は、低い者に比して、メタボリックシンドロームの発症リスクが低いことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年7月の2週にわたり、群馬県中之条町の65歳以上の全住民約5,000名(寝たきりや認知症は除く)を対象に、総合的な健康診査や体力測定、アンケートなどからなる疫学研究調査を行った。これは、栄養の介入研究にとってはベースラインデータの収集、身体活動の観察研究にとっては縦断データの収集にそれぞれ相当する。また、免疫マーカー、酸化ストレスマーカーなどの測定を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
本疫学調査の10年前および終了直後より、対象者のうち最低でも500名に体動計を1年以上、毎日、終日装着してもらい、歩数や10段階(体動レベル0-9)の活動強度を加味した消費カロリー、数秒ごとの活動パターンの変化などを詳細に調べる。この体動計は、精度の向上と1ヶ月以上(36日)にわたるデータの連続記録が可能なよう、プログラムに独自の工夫をこらしたものである。さらに、体動計のデータ回収と同時に、運動実施や転倒発生などについても毎月調べる。また、定期的にエンドポイント(病気の発症、ADLの低下、死亡など)の追跡・確認を行う。
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Research Products
(3 results)