2013 Fiscal Year Annual Research Report
高リン食投与ラットモデルを用いた主要臓器におけるリン恒常性調節機構解明とその応用
Project/Area Number |
23300273
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 雄治 東京大学, 農学生命科学研究科, 特任准教授(移行) (10321788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 智子 東京大学, 農学生命科学研究科, 特任助教 (80568270)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高リン食 / DNAマイクロアレイ / ラット / 白色脂肪組織 / 脂質代謝 / 炎症 |
Research Abstract |
リンは骨などを形成するのに必須なミネラルであるが、近年、インスタント食品や清涼飲料水などに添加物として含まれるリンの過剰摂取が問題となっている。過剰摂取による症状としては骨成長不良や副甲状腺機能の異常亢進などが知られている。しかしながら、意外なことにリン過剰摂取時の遺伝子発現レベルでの解析は数例の報告があるのみで、網羅的解析は行われていない。そこで本研究では、1)高リン食負荷をかけた際のラットモデルを用いて、主要な臓器における遺伝子発現変動を網羅的に解析することによるリン恒常性調節機構の遺伝子発現レベルでの統合的な解明、2)リン過剰摂取を早期に反映する血中バイオマーカーの探索、の2点を目的とし、現代的な食生活で起こりうるリン過剰摂取の問題への対処を目指した。25年度は24年度に取得した高リン食摂取ラット白色脂肪組織(WAT)について、マイクロアレイ解析を行った。その結果、脂質代謝関連、炎症関連、細胞形成関連遺伝子が高リン食摂取によって発現変動していることが明らかとなった。とくに脂質代謝関連では、肝臓の場合と同様、脂肪酸β酸化の亢進が認められた。さらに、WATに蓄積したトリアシルグリセロールから脂肪酸を遊離させるリパーゼをコードする遺伝子の発現上昇が認められた。これらは、高リン食摂取によるWATの重量低下という表現型の変化を裏付けるものであった。また、高リン食摂取によって、炎症メディエーターであるプロスタグランジン生合成及びロイコトリエン生合成に関わる遺伝子の発現低下、免疫細胞浸潤を示す遺伝子の発現低下も認められた。これらは高リン食摂取によって起こった蓄積脂肪の減少に伴う相対的な結果であると考えられたが、さらなる検討が必要である。WATの解析からも、高リン食摂取が代謝の変化をはじめとする様々な生体応答を引き起こしていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Influence of a Short-Term Iron-Deficient Diet on Hepatic Gene Expression Profiles in Rats2013
Author(s)
Kamei, A., Watanabe, Y., Kondo, K., Okada, S., Shinozaki, F., Ishijima, T., Nakai, Y., Kondo, T., Arai, S., Abe, K.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 8
Pages: e65732
DOI
Peer Reviewed
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