2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300281
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
普後 一 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90111640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 順 東京農工大学, 農学部, 教授 (00015124)
阿部 広明 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 助教 (80222660)
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Keywords | 昆虫生命科学 / 理科実験法 / 理科実験マニュアル / 初等・中等理科教育 |
Research Abstract |
平成23年度は、理科実験マニュアル作成と副読本執筆に主眼を置いて研究を進めた。具体的には以下に示す事項についてのシナリオ作り、実験に当たっての注意事項の解説、実験材料の取得法、実験器具の自作法、実験操作法や薬品等の取扱い方法、各種実験の実写撮影と解説ナレーションの挿入、理科実験に関する外部資金獲得検索法と申請書等の記載法、実験書の作成方法乱レポートの作り方、レポート課題の要点、実験後片付けの仕方、実験室の配置と器具類の設置の仕方、ガス・電気・水道等の扱い方、実験廃液の処理方法等について実写映像、アニメーション、動画、解説書を作成した。 昆虫を用いた理科実験マニュアル作成:(1)現代生物科学を中心とした生命科学基礎実験法(2)農業生産科学を中心とした応用生命科学実験法(3)昆虫遺伝・発生学を中心とした応用生命科学実験法(4)昆虫行動・生態学を中心とした応用生命科学実験法等の企画と実際のマニュアルの作成および実験副読本の作成を行った。 平成23年度の実績の一つとして、副読本として印刷物を公表する(24年度5月予定)。一方、初等・中等の児童や生徒のために「ひらめき☆ときめきサイエンス」を23年8月に開催し、研究実績の中の(1)オスとメスとの違い(2)昆虫の進化(3)昆虫採集法と写真及び動画撮影法(4)カイコガの解剖実験法(5)交尾行動観察とフェロモン抽出実験等を行った。また、千葉県立国府台高校において、生物学及び化学実験を行った。この時には、理科実験手法として「生物の取扱い」「化学物質の取り扱い」の講義と「カイコガ解剖実験」及び「酢酸を用いた吸着平衡実験」を4日間を通じて行った。更に、福島県での原子力発電所事故を踏まえて、放射性物質の性質や空間放射線量について、副読本に追加することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
23年度当初は、実験書及び副読本の作成と実際の映像や写真の確保の困難さを危惧していたが、代表者や分担者によって、予想外に成果が得られ、24年5月には副読本の一部を公表できることとなった。また、中等教育現場での講義や実験も行い、未完成ながら副読本を生徒に印刷物として渡し、それに則り実験も行った。この際、理科教諭から副読本に対する評価や実験方法に関する修正や改善策を示唆され、次年度に向けて改善がなされる結果となった。23年度の特筆として、福島県での昆虫採集(イナゴやコオロギ)と放射性物質濃度測定がなされたことで、得られた成果は次年度の副読本に反映されることとなった。また、これに関する論文も執筆した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、前年度に引き継ぎ、実験マニュアルの作成や副読本の加筆や修正を行っていく。生物教育学会や理科教育学会との連携や、23年度作成の副読本の配布(府中市教育委員会からの要請で、40名の理科教諭のために実験講座が開設される予定で、現場の教諭の意見を反映できると予想している)を行う。アンケートを実施し、教諭の希望を取り入れる計画である。また、JSPSによるSPPも計画されており、実験のノウハウを理科教諭諸兄に教示できるものと予想している。 一方、実験に関する動画や映像に関しては、教材の吟味も含めて、過去のDVDの成果を修正・改善し、より判り易く、且つ、初等・中等教育現場での試用を考慮しての改訂を進める。新作の映像や写真撮影及び実地の実験風景の撮影も計画している。また、別経費での福島調査や試料分析の結果を副読本に加筆する予定である。
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