2012 Fiscal Year Annual Research Report
数学リテラシー概念に基く教員養成系数学カリキュラムの開発
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23300293
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
浪川 幸彦 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (20022676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真島 秀行 お茶の水女子大学, その他部局等, 教授 (50111456)
三宅 正武 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 名誉教授 (70019496)
黒木 哲徳 南九州大学, 人間発達学部, 教授 (90022681)
清水 美憲 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 教授 (90226259)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 数学リテラシー / 教員養成カリキュラム / 教員に求められる数学知識 / 幾何教育 / 数学教育の会 / 名古屋大学数学教育セミナー / 数学教育世界会議 |
Research Abstract |
本研究は,学校数学教育カリキュラム策定における数学リテラシー概念の応用を踏まえ,1)数学教員の持つべき数学リテラシー像の策定;2)教員養成数学カリキュラムモデルの構築;3)教員養成数学カリキュラム教材の開発を行うことを目的としている。本年度は次の活動を行い,成果を得た。 0.基本的に,昨年の活動を引き継ぎ,南九州大学で研究集会(本年2月)を開催すると共に,京都大学数理解析研究所での日本数学会教員養成系懇談会主催の共同研究に参画し,さらに昨年7月ソウルで開催された数学教育世界会議に参加するなどの活動の中で研究を進めた。 1.教員のリテラシー像策定は,一般論から始めるのを避け,次項以降の具体的カリキュラム,教材開発を進める中で体系化していくべきことが認識され,その方針で進むこととなった。これに対し,理論の基礎となる数学リテラシー論については,日本の学習指導要領改訂において数学リテラシーが果たした役割等について上記世界会議で研究代表者が報告を行った。 2.2)3)は教員養成系懇談会との共同研究であるが,ここでも重点は3)に移り,幾つかの具体的な実践例が報告集として公刊された。研究代表者は幾何教育について,現在の教員養成カリキュラムを学習指導要領と対比させつつ数学リテラシーの見地から論じるべく,予備的な考察を行った。これについてはさらに研究を継続する。 3.この他の活動として,前年度に引き続き,「数学教育の会」が2回開催され,また名古屋大学数学教育セミナーが5回開催された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初目標の2)教員養成数学カリキュラムモデルの構築;3)教員養成数学カリキュラム教材の開発については順調に進展しており,その成果が本研究の報告書および京都大学数理解析研究所共同研究の報告書の形で逐次公にされている。 しかしながら目標の1)数学教員の持つべき数学リテラシー像の策定については,むしろ抽象論に走らない方がいいとの認識が高まり,2)3)を充実させて,それを体系化する形で進めることとした。したがってその作業は最終年度に形を変えて行われることとなる。 また昨年度日本学術会議で学士教育における数学教育の参照基準策定が行われ,そこに浪川・真島が参画したが,本研究はそれを踏まえて行われることとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
数学教員に求める数学リテラシー像の策定については,上に述べた数学教育の参照基準を踏まえつつ,一方で提案・実施されつつある数学教員養成カリキュラムを批判的に検討しつつ,行っていくこととしたい。 一方数学リテラシー像自身については,研究代表者が以前の考察の再考を進めつつあり,最終年度にはこれらを総合したものを提示する計画である。 すでに進めつつある,教員養成カリキュラムについては,これをさらに理論的・実践的に研究・充実させて行く。特に数学史との関連の重要性が認識され,これを深めて,可能ならば次の研究計画へとつなげていきたい。 「数学教育の会」および名古屋数学教育セミナーの活動は引き続き続けていく。
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Research Products
(7 results)