2012 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴送電による無線電力供給から発生する電磁環境の安全性評価
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23310022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮越 順二 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70121572)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 電磁波影響評価 / エネルギー伝送 / 共鳴送電 |
Research Abstract |
平成24年度は、共鳴送電方式による無線電力伝送時の生体への安全性を直接的に評価することが可能となる細胞曝露装置を構築するとともに曝露装置の電磁環境評価を完了した。本曝露装置は、細胞培養に必要となる温度37℃、湿度100%、二酸化炭素濃度5%等の条件を満足するとともに、動作共鳴周波数12.6MHzにおいて、共鳴送電時の細胞曝露磁界強度は最大送電時に80A/mを上回る。この磁界強度は、国際非電離放射委員会(ICNIRP)が1998年に公表した周波数0~300GHzを対象とするガイドラインにおける12.6MHzの指針値の50倍、2010年に公表した、周波数100kHzまでを対象とするガイドライン中で述べられている10MHzでの指針値に等しい。 我々は、この細胞曝露装置の細胞培養環境の安定性を確立させるため、細胞増殖能評価、細胞周期評価に取り組み、曝露装置内部の細胞基本動態が適切であることを確認した。さらに、実際の共鳴送電時における細胞増殖能評価、細胞周期評価に取り組み、共鳴送電方式による無線電力供給時の直接的な生体影響評価を開始した。 共鳴送電技術については、実用化が期待されるものの直接的な生体影響評価は行われていない状況において、安全性を直接的に評価できる細胞曝露装置を世界で初めて構築し、その評価を開始したことは、非常に大きな意義を持つ。 なお、引き続き、細胞の遺伝毒性評価を行うべく、コメットアッセイおよび小核形成試験実施のための実験環境構築を完了しており、平成25年度にこれらの評価から取り組んでいく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
曝露装置構築にあたり、細胞培養に必要となる温度等の条件確保のため、インキュベータ内という限られた空間内で共鳴送電装置の構築が必要であり、その設計等に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、構築した曝露装置を用いて、遺伝毒性、細胞機能、ストレスタンパクを含む遺伝子発現評価に取り組む。 また、並行して、より高効率、高磁界強度の曝露装置の構築に取り組む。
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