2012 Fiscal Year Annual Research Report
単一粒子分光・時間分解分光による金ナノ粒子のパルスレーザー誘起形態変化の直接観測
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23310065
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
橋本 修一 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70208445)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 金ナノ粒子 / レーザー / 形態変化 / サイズ減少 / 熱移動 / バブル / ナノ超臨界 |
Research Abstract |
高圧液中レーザー照射によるナノ粒子サイズ・サイズ分布制御 水の臨界圧22.1 MPa以上の高圧下では、水が647K以上に加熱されると超臨界状態となり、バブル発生は起こらない。金ナノ粒子の沸点は常圧下では約3100 Kだが、100 MPaでは約6800 Kとなり、著しく蒸発しにくくなる。また、あるレーザー強度で加熱した場合、それより小さい特定のサイズでサイズ減少がストップしてしまう。これは、加熱された金ナノ粒子の周りにできる超臨界水層を通して熱移動が効率的に起こるため、あるサイズ以下になると冷却のためもはや蒸発を起こすことができないからである。その場合、レーザー強度を更に上げることによって、冷却過程に打ち勝って再びサイズ減少を起こすことができる。このようにして、レーザー強度に依存した粒子サイズを実現することが可能となる。本研究は、「サイズ分布のそろった球形金ナノ粒子をサイズ制御して作製する」のに高圧が有用なことを示した。 単一ナノ粒子分光計測によるナノ粒子の温度計測 レーザー照射によるガラス基板上(周囲媒質:空気)の単一金ナノ粒子のLSPRに基づく散乱スペクトル変化を暗視野分光法により測定した。レーザー強度の増加に伴って、散乱スペクトルの長波長シフトと強度の減少が観測された。スペクトル変化から、500K程度での粒子表面における液体金のシェル層生成と、温度上昇に伴うシェル体積の増加に帰属されるスペクトル変化を観測した。より高温域での金ナノ粒子の特徴的な形態変化をAFMで観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分光的手法によりレーザー過熱下の金ナノ粒子の温度計測に成功し、今後、この手法の応用の見通しが立った。高圧レーザーアブレーションにより金ナノ粒子の粒径およびサイズ分布制御に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
金ナノ粒子のレーザー励起による初期過程から最終過程までをトータールに理解する筋道を確立する。そのための実験的手法を開発すると同時に計算機シミュレーションを行う。
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Research Products
(5 results)