2012 Fiscal Year Annual Research Report
サブナノメートルの分解能を実現する走査型熱顕微鏡の開発
Project/Area Number |
23310068
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
CUSTANCE Oscar 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (00444555)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 走査型熱顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
走査型熱顕微鏡(SThM)は物質表面における熱特性をナノスケールで評価するために、熱感知型カンチレバーを利用した原子間力顕微鏡(AFM)の一種である。本研究では、これまで蓄積された原子分解能AFM法に関する高度な技術と経験を活かし、SThMの空間分解能をナノメートルスケールまで改善することを目的とする。研究の第一段階ではSThM装置を試作し、その性能改善を行った。SThM装置を設置するための小型UHVチャンバーを制作し、表面の清浄化に必要な設備を備えた既存のUHVシステムに接続した。試作するSThM装置は熱カンチレバーの性能が最大限に発揮されるように設計した。並行して、カンチレバーのたわみや変位が検出できるように高分解能光ファイバー干渉計の開発も行った。 本装置は試料表面とカンチレバー間の位置合わせが正確に行える特別な位置決め機構を有する。顕微鏡部は原子分解能達成に必要な剛性と安定性を有し、試作表面の希望位置にプローブを自由に移動できるように光学アクセスを備える。サンプルホルダーは評価する電子デバイスの動作中に熱伝導特性が評価できるように複数の電極を有する設計とした。並行して、カンチレバーのたわみや変位が検出できるように高分解能光ファイバー干渉計の開発も行った。カンチレバーへの光ファイバーの位置決めは圧電モーターで行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本プロジェクトを進める中で、熱したカンチレバー探針直下に十分な精度をもって試料を位置させるピエゾモーター機構を構築することが難しく、当初予定より進行が遅れている。最終年度で走査型熱顕微鏡(SThM)のプロトタイプを作り上げ、動作確認し、高解像度SThM測定を実証する。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、表面の所望の場所で測定が可能となるよう探針を試料平面方向(x、y)で自由に動かせる機構を顕微鏡に搭載する。このデザイン修正後も標準的なシリコンカンチレバーを用いた原子間力顕微鏡(AFM)で原子解像度が保証されることを実証する。次に、共同研究を行っているIBM研究者によりデザインされた加熱探針を用いても原子解像度が達成できるか検証する。最後にナノワイヤーで作られたナノデバイスで熱測定を行い、時間が許せば、カーボンナノチューブやグラフェンナノリボンなどの炭素材料を用いたデバイスの熱特性評価も試みたい。
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