2012 Fiscal Year Annual Research Report
光周波数コムを利用した周波数&時間分解近接場磁気光学顕微鏡の研究開発
Project/Area Number |
23310073
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
石橋 隆幸 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (20272635)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 近接場磁気光学顕微鏡 / 磁気光学効果 / 光コム |
Research Abstract |
本研究では、スピントロニック素子のナノ領域での磁気特性を評価するため、50 nm以下の空間分解能とピコ秒スケールの磁化反転特性の測定が可能な、2波長同時ヘテロダイン検波法を近接場磁気光学顕微鏡(MO-SNOM)に組み合わせた新しい磁気イメージング技術を開発することを目的としている。 今年度は、開発中のアパーチャーレスMO-SNOMの空間分解能及び偏光特性の評価を行った。ガラス基板上に作製されたクロムパターンを使った測定により、14 nmの空間分解能を得られることを明らかにした。また、磁気光学効果の計測に重要である偏光特性を詳細に調べた。その結果、s偏光およびp偏光の光を入射させた時にが反射測定において偏光特性が良く保存されていることを明らかにした。さらに、SNOM像の測定において、偏光面の回転角が1度の場合でも検出することに成功した。一方、s偏光、p偏光以外の偏光状態の場合には、2種類以上の偏光状態が重ね合わさっていることも明らかにした。 FDTD法を用いたシミュレーションでは、実験とほぼ同じモデルを構築し、アパーチャーレスプローブ周辺の電場分布および散乱光の偏光特性について調査を行った。計算の結果、s偏光およびp偏光の光を入射させた場合、プローブ先端付近から生じる散乱光は入射光と同じ偏光状態を保持することが明らかになり、実験で得られた結果をよく説明する結果が得られた。 以上の結果は、アパーチャーレスプローブを用いることによって、10 nmという高い空間分解能を有する磁気光学イメージングの可能性を示すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近接場磁気光学顕微鏡の偏光特性の調査に時間を要したため、2波長同時ヘテロダイン検波法のための回路の設計および作製が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の重要な課題は次の二点である。近接場磁気光学顕微鏡による磁区観察を実現することと、2波長同時ヘテロダイン検波法による原理実験の検証を行うことである。
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Research Products
(13 results)