2012 Fiscal Year Annual Research Report
電場中でのナノ液固界面の化学反応に関するハイブリッド量子古典計算法の開発
Project/Area Number |
23310074
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾形 修司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90251404)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 伸子 株式会社豊田中央研究所, その他部局等, 研究員 (80394964)
田村 友幸 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90415711)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 密度汎関数法 / オーダーN計算法 / Liイオン電池 / ダイナミックス / 剛体分子モデル |
Research Abstract |
H24年度の研究実績は以下4項目に大別できる:(1) オーダーN型実空間密度汎関数コードの開発とそのスパコン上での高並列性能の確認,(2) オーダーN型実空間密度汎関数コードを用いたLiイオン2次電池の負極近傍での固体電解質膜と電解質液との界面を通じたLiイオンの輸送に関するシミュレーションの実施,(3) オーダーN型実空間密度汎関数コードを量子領域の計算法に採用したハイブリッド量子古典法を用いたLiイオン2次電池のグラファイト負極内部でのLiイオン群の拡散に関するシミュレーションの実施,(4) 剛体分子の新しい回転動力学アルゴリズムの開発とその大規模な液体および固体のシステムに関するシミュレーションの実施. (1)に関しては,スパコン京を含め,様々なスパコンでベンチマークテストを行い,そのいずれにおいても高い並列化効率を数千原子規模の対象系で実証した.(2)に関しては,固体電解質膜と電解質液との界面を,これまでよりも格段に多い2500原子規模でモデル化し,その第一原理分子動力学シミュレーションに成功した.(3)に関しては,昨年まではLiイオンを1個しか含んでいなかった対象系を,その10倍以上多数のLiイオン群の拡散挙動をまとめて扱えるように改良し,これまでよりも実際的なハイブリッド量子古典シミュレーションに成功した.(4)に関しては,時間反転対称を持ち,1ステップ当たりの計算コストが既存のいずれの方法よりも格段に少ない剛体分子回転アルゴリズムを創案し,実際に水分子からなる数百万原子規模の分子クラスター系に関して,その相互融合ダイナミックス,融解ダイナミックス,外部電場による蒸発率依存性等に関するシミュレーションを実施した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的項目よりも多い4項目で成果を上げたこと.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,「京」のような世界最大規模のスパコンを実際に用いたテストを行うと共に,Liイオン電池内のLiイオン輸送過程等について適用シミュレーションを進め,その結果をまとめて発表する予定である.
|
Research Products
(24 results)