2012 Fiscal Year Annual Research Report
自動車・航空機応用のためのBNナノチューブと低密度金属による超軽量高強度材料開発
Project/Area Number |
23310082
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
DMITRI Golberg 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 主任研究員、ユニット長 (80354405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板東 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, フェロー (10344433)
ZHI ChunYi 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (50469764)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 複合材料 / 低密度金属 / 電子顕微鏡 / ナノチューブ / 機械的機能 |
Research Abstract |
ナノ‐ボロンナイトライド(BN)相(BNナノチューブまたはBNナノパーティクル)が、最高で5 wt.%まで埋め込まれたリボン状アルミニウム(Al)は、メルトスピニング法によってアルゴン雰囲気下で作製された。構造特性の比較には、X線回折法(X-ray diffraction; XRD)、走査型電子顕微鏡法(Scanning Electron Microscopy; SEM)、透過型電子顕微鏡法(Transmission Electron Microscopy; TEM)および、摂氏20度から600度下の範囲内で行った内部摩擦測定により解析された。結晶粒界上では、ナノ‐BN相の全くない部分と、結晶粒界上に二元または三元系のB/Nの両方または一方を含んだAl相形成部分が確認された。結晶粒部分は、結晶構造に欠陥および混合物のないマイクロサイズの構造が見られた。それぞれのリボンに対して、室温にて引張り試験が行われ比較を行った。この結果から、ナノチューブ、ナノパーティクル両方のナノ相に対して、Alマトリックスに対するナノ‐BN添加の強化効果が明らかとなり、特にBNナノチューブを含んだ試料においてその結果が顕著に現れた。最大引張り強度は150 MPa以上に達し、少なくとも同様にメルトスピニングにより作製した純Alリボンの2倍の値を示した。ナノBN添加物とAlマトリックスの内部構造の相互関係は、構造解析および内部摩擦データに基づいて詳細に解析された。この先駆的研究は、将来の自動車および宇宙事業応用に用いる超軽量かつ超強靭な“夢の”構造材料への実用化への第一歩を開いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マルチウォールBNナノチューブで強化されたAlマトリックスの機械的特性は、“ナノコンポジット”および“マイクロコンポジット”両方の研究結果において飛躍的に向上した。ナノコンポジットにおいて、AlをコーティングしたBNナノチューブは、Alナノワイヤと比較すると、引張り強度が100倍まで増加した。このパラメーターはBNによって強化されたAlマイクロコンポジットを同条件で作製した純Alリボンと比較すると3倍となった。
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Strategy for Future Research Activity |
・粉末冶金法、すなわち金属粉末を成形・焼成することによる、様々な分量のBNナノチューブを添加したバルク状アルミニウムの合成 ・放電プラズマ焼成法(SPS)による、BNナノチューブの含有量を変えたバルク状アルミニウムの合成 ・純アルミニウムとBNナノチューブを含んだアルミニウムにおける構造と結晶粒界形状の、SEM、TEMによる比較観察 硬度、降伏強度、最大引っ張り強度および、展延性に関する、純アルミニウムと合成された複合素材における相違の島津引張試験機を用いた評価
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Research Products
(12 results)