2011 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク質共役受容体キナーゼ応答型循環器疾患治療・診断システム
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23310085
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
姜 貞勲 独立行政法人国立循環器病研究センター, 生体医工学部, 室長 (50423512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 敦 独立行政法人国立循環器病研究センター, 生体医子学部, 研究員 (50572666)
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Keywords | Gタンパク質共役受容体 / プロテインキナーゼ / 細胞内シグナル / ナノバイオサイエンス / 循環器疾患 |
Research Abstract |
循環器疾患細胞は、正常循環器細胞では見られない過剰発現されたGタンパク質共役受容体関連キナーゼ群を有している。過剰発現されたキナーゼに選択的に応答するシステムが構築できれば、循環器疾患選択的治療や診断が可能になる。本研究は、循環器疾患の診断および治療へ応用可能な循環器疾患細胞内シグナル対話型ナノ分子マシンの開発を目指している。本システムは、正常細胞へ導入されても応答せず、異常シグナルが過剰発現している循環器疾病細胞にのみ選択的に反応し、治療・診断するという概念である。この特徴は、より正確な診断技術の提供やより安全かつ正確な治療の実現に繋がり、治療効率の向上、副作用の防止にも貢献できる。本年度は、Gタンパク質共役受容体キナーゼ2(GRK-2)に対する高感度かつ選択的なペプチドの探索を行った。GRK-2に反応する天然のタンパク質由来のペプチドから12種類のペプチド配列を設計し、合成と精製を終了した。また、Gタンパク質共役受容体ファミリーキナーゼの一種であるRhoキナーゼに反応するペプチドの探索と評価も行った。136個の配列候補からRhoキナーゼに対する高感度かつ選択的なペプチドの探索に成功した。Rhoキナーゼ応答型循環器疾患診断・治療システムの開発のために、新規のペプチドを側鎖とし、中性のポリマーを主鎖とする高分子ポリマーの合成にも成功し、細胞導入実験により、その有効性を確認した。さらに、心筋炎動物モデル作製に必要なブタの心筋ミオシンの精製法を確立し、精製したブタのミオシンによる心筋炎動物モデル作製にも成功し、動物モデル作製の課題はクリアした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Gタンパク質共役受容体ファミリーキナーゼであるGRK-2とRhoキナーゼに対する高感度かつ選択的なペプチドの探索を行い、Rhoキナーゼにおいては治療・診断用のシステムの開発に成功し、細胞実験でその有効性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、申請書に記載した計画通りに行う予定である。
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