2012 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク質共役受容体キナーゼ応答型循環器疾患治療・診断システム
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23310085
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
姜 貞勲 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50423512)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Gタンパク質共役受容体 / プロテインキナーゼ / 細胞内シグナル / ナノバイオサイエンス / 循環器疾患 / 薬物送達 |
Research Abstract |
循環器疾患の診断および治療に応用可能な循環器疾患細胞内Gタンパク質共役受容体キナーゼ2(GRK-2)対話型ナノ分子マシンの開発のためには、GRK-2に対する高感度かつ選択的なペプチドの探索が不可欠である。前年度の12種類のペプチド配列に、新たに設計した天然のタンパク質由来の5種類のペプチド配列を加え、総17種類のペプチド配列をGRK-2酵素と反応し、リン酸化率(CPM)を算出した。17配列候補からGRK-2に対する特異的親和性を持つチューブリン(tubulin)由来ペプチドの探索に成功した。このペプチドはGRK-2の研究に汎用されている既存のペプチド配列(RRRREEEEESAAA)よりもリン酸化率が5倍以上高いことも確認した。GRK-2に対する高感度を示すペプチドは、酸性アミノ酸を含有しており、核酸医薬品の細胞内送達のためにC末端にリンカーアミノ酸(グリシン)と塩基性アミノ酸(アルギニン)を導入した高分子合成用のペプチド配列を設計し、GRK-2酵素とのリン酸化反応を行った。C末端に導入したリンカーアミノ酸と塩基性アミノ酸は、リン酸化反応に及ぼす影響は少なかった。GRK-2シグナル応答型循環器疾患診断・治療システムの開発のために、新規のペプチドを側鎖とし、中性のポリマーを主鎖とする高分子ポリマーの合成を行った。高分子ポリマーは側鎖となるペプチドのN末端にメタクリル酸を導入し、ラジカル重合により合成した。本年度は、GRK-2に対する高い親和性を持つ新規ペプチドの探索に成功し、新規ペプチド探索の課題はクリアした。また、探索したペプチドを側鎖とする核酸医薬品送達システムの開発に関する課題もクリアした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Gタンパク質共役受容体ファミリーキナーゼ(GRK-2)に対する高感度かつ選択的なペプチドの探索に成功し、探索したペプチドを側鎖とするGRK-2対話型ナノ分子システムも構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、申請書に記載した計画通りに行う予定である。
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