2012 Fiscal Year Annual Research Report
核膜孔複合体ダイナミクス機序の解明とナノポア再構成へのアプローチ
Project/Area Number |
23310151
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
WONG W・R 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (30464035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船坂 龍善 金沢大学, 自然システム学系, 研究員 (60564127)
橋爪 智恵子 金沢大学, 自然システム学系, 研究員 (70564128)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 核膜孔複合体 / 有糸分裂 |
Research Abstract |
真核細胞の核膜孔を形成する核膜孔複合体(NPC)は、ヌクレオポリンと呼ばれる30種類以上のタンパク質から構成される巨大タンパク質複合体であり、核‐細胞質間の物質輸送を制御している。当初ヌクレオポリンは、有糸分裂初期に核膜の崩壊と共にばらばらに分解されると、有糸分裂後期に再びNPCとして集合するまで不活性であると考えられていたが、最近の研究ではいくつかのヌクレオポリンの中には紡錘体形成、及び、有糸分裂後期開始に影響を与え、細胞の癌化に関与するものがあることが明らかになってきた(Funasaka and Wong, Cancer Metasta Rev 2011; Nakano et al., Cell Cycle 2011)。本研究課題では、NPCタンパク質の詳細な細胞内動態を解析すると共に、ナノポアの再構成を試みることを目的としている。 当該年度は、Tprとオートファジーとの関連について調べ、Tprノックダウンが核膜孔の数を大幅に減少させること、さらに電子顕微鏡解析では、核内フィラメントの数が著しく減少していることを明らかにした。また、Tprに対するsiRNA処理は、対照群のsiRNA処理細胞と比較して、細胞の成長と増殖を阻害し、Tprが減少した細胞ではp53とp21タンパク質の量が増加していた。驚くことに、Tprの減少はp53の核内での蓄積を増加させ、オートファジーを促進した。これらのデータをまとめ論文を発表した(Funasaka et.al.,Sci Rep.2012)。また、核膜校複合体因子Nup98が細胞成長、接着、転移、アポトーシス、特に癌の進行に影響するGalectin-3の細胞質ー核輸送に深く関与していることを突き止め、論文を発表した(Funasaka et.al.,Biochem Biophys Res Commun 2013)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に則り、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に則り、今年度に予定している実験を進める。
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