2014 Fiscal Year Annual Research Report
核膜孔複合体ダイナミクス機序の解明とナノポア再構成へのアプローチ
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23310151
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
WONG W・R 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (30464035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 智恵子 金沢大学, 自然システム学系, 研究員 (70564128) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Nup358 / Nup98 / Rae1 / 有糸分裂 / 核膜孔複合体 / 物質輸送 / 異数化 / 紡錘体 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核細胞の核膜孔を形成する核膜孔複合体(NPC)は、ヌクレオポリンと呼ばれる30種類以上のタンパク質から構成される巨大タンパク質複合体であり、核-細胞質問の物質輸送を制御している。当初ヌクレオポリンは、有糸分裂初期に核膜の崩壊と共にばらばらに分解されると、有糸分裂後期に再びNPCとして集合するまで不活性であると考えられていたが、最近の研究ではいくつかのヌクレオポリンの中には紡錘体形成、及び、有糸分裂後期開始に影響を与え、細胞の癌化に関与するものがあることが明らかになってきた(Funasaka and Wong, Cancer Metasta Rev 2011; Nakano et al., Cell Cycle 2011)。本研究課題では、NPCタンパク質の詳細な細胞内動態を解析すると共に、ナノボアの再構成を試みることを目的としている。 実施期間に、NPCタンパク質が有糸分裂期に中心体で発現し、中心体恒常性に関与していることを示した(Hashizume et.al., Cell Cycle, 2013)。また、NPCタンパク質RanBP2の発現低下が染色体のミスアライメントとmitotic catastropheを誘導することを明らかにした(Hashizume et.al., Cell Death Dis., 2013)。さらに、NPCタンパク質Rae1にも深く関与していることが知られる核分裂装置タンパク質NuMAが、p53による転写を制御していることを示した(Endo et.al., Cell Death Dis., 2013)。当該年度はNPCタンパク質の一つであるTprが、中心体の分離・複製・成熟に重要な役割を持ち、がん細胞において過剰発現が見られるAurora A kinaseと有糸分裂期に相互作用していることを見出した。またAurora A kinaseの阻害は細胞に染色体の異数化を引き起こすが、Tprの発現抑制も同じく染色体の異数化を引き起こした。Aurora A kinaseと直接結合するTprのMドメインに、Aurora A kinaseが過剰発現している癌において治療効果が期待できることを示唆した(Kobayashi et.al., Cell Cycle, 2015)。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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