2013 Fiscal Year Annual Research Report
新しい分子イメージング技術の開発に向けたルシフェリン生合成系の解明
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23310159
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大場 裕一 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (40332704)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | ルシフェリン / 生合成 / 分子イメージング / ホタル |
Research Abstract |
ルシフェリン生合成遺伝子をルシフェラーゼ遺伝子とともに細胞へ導入し、自律的に発光するバイオイメージングシステムを創出することが目的である。そのために、まずは殆ど明らかになっていなかったルシフェリンの生合成経路の解明を目指した。発光イメージングは、蛍光イメージングと比べて高感度・低ノイズ・非侵害・幅広いダイナミックレンジといった大きなアドバンテージを有しているが、その一方でルシフェリンを外部から与える・注射するといった操作が必要なため、その再現性や簡便性に問題を残していた。したがって、もしルシフェリン生合成酵素が解明され、その基質が細胞が普遍的な物質であったならば、ルシフェリン生合成酵素をルシフェラーゼと共に細胞導入すれば、持続的で安定した自発的発光のモニタリングが可能となる。 今年度は、ホタルルシフェリンの生合成における生合成基質に着目し研究を進めた結果、ホタルルシフェリンは、2分子のL-システインとヒドロキノンからホタル成虫の体内で生合成されることが明らかとなり、その成果はPLoS ONEに掲載された。この論文の中では、さらにヒドロキノンは、ホタル体内でアルブチン(ヒドロキノンにグルコースが1分子付加したもの)としてストックされていることも解明。すなわち、比較的毒性の高いヒドロキノンは毒性の低いアルブチンに変換して蓄えているとわかった。L-システインは天然形のアミノ酸であり、すべての生物が持っている。また、アルブチンは、一部の昆虫や植物などにその存在が確認されていることから、生物普遍的に見られる可能性がある。さらに、ホタルルシフェリンのカルボニル基の根元はD配置になっているが、これがL配置のシステインから何らかの生合成プロセスによって作られることも明らかになった。 以上より、長らく謎であったホタルルシフェリンの生合成経路の解明に向けた重要な一歩を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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