2011 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム教育改革の質的向上を支える授業研究-日越地域間共同-
Project/Area Number |
23310184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
村上 呂里 琉球大学, 教育学部, 教授 (40219910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 泉 琉球大学, 法文学部, 非常勤講師 (20381204)
善元 幸夫 琉球大学, 教育学部, 非常勤講師 (40587739)
西岡 尚也 琉球大学, 教育学部, 教授 (60336360)
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Keywords | 児童中心主義 / フモン族 / ベトナム教育改革 / 異文化理解教育 / 授業研究 / 多文化共生 / 少数民族 / 初等教育 |
Research Abstract |
23年度は、代表者が途中で病気入院したため、研究計画を縮小・変更せざるを得なかった。そうした中で、22年度までの共同研究の歩みを冊子『日越共同授業研究の歩み2007-2011』(2012年)にまとめ、ベトナム側に贈呈し、これまでの到達点とさらなる課題を共有し合った。そこから新たなベトナム側の要望や課題も明らかになった。 第1の成果は、これまで共同授業研究を行っていたタイグェン省ボーニャイ郡クックドゥオン小学校よりさらに山岳地域にあるトゥーヌン小学校を参観し、少数民族出身で少数民族の踊りや遊びを指導する指導員を配置するなどの配慮がなされているにもかかわらず、フモン族児童が1年生からすでに授業の中で疎外されている実態を目の当たりにしたことである。クックドゥオン小学校では見られなかった光景である。北部少数民族児童の中でもフモン族児童の教育が非常に大きな課題であることを認識させられた。今後この小学校のフモン族をエンパワーし、民族間の相互理解を深める共同授業研究が切実に必要なこと、そして児童中心主義を理解する教員の養成が喫緊の課題であることが明らかになった。 第2の成果は、ベトナムでは2015年学習指導要領改訂に向けて、児童中心主義の理論と実践の学習が切実な課題となっていることが明らかになった。文献も収集し、現在翻訳にとりかかっている。タイグェン師範大学学長より児童中心主義について学生に教える集中講義を強く要請され、24年度実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者が、途中で病気入院をしたため、当初の計画を縮小せざるを得なかった。そこで、23年度は22年度までの共同授業研究の成果をしっかりまとめ、ベトナム側と成果と課題を共有することに重点を置いた。そうした中で、これまでよりさらに山岳地域にある小学校を訪問し、山岳少数民族地域の小学校の切実な課題を目の当たりにし、課題がより焦点化され、24年度はフモン族児童のいるクラスを対象とした共同授業研究会を行うべく、現在準備にとりかかっている。また24年度にタイグェン師範大学で学生に対して集中講義を行い、日本の児童中心主義をめぐる体験と実践をベトナム人学生と教員に伝える約束をした。 児童中心主義に関する雑誌記事や文献を収集し、翻訳にとりかかり、24年度の計画を練っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、23年度に予定されていたタイグェン師範大学での学生向け集中講義を9月に実施し、フモン族出身学生を巻き込んで共に教材研究・授業づくりを行い、12月にフモン族出身学生が小学校で研究授業を行う予定である。すでにタイグェン師範大学側から、全面的に協力する旨、回答を得ている。日本人教員・研究者と将来少数民族地域小学校に赴任することを希望しているフモン族の学生が共に授業づくりを行うことを24年度の主目標とする。
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Research Products
(2 results)