2013 Fiscal Year Annual Research Report
モダニズムの越境性/地域性――近代の時空間の再検討
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23320062
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
中井 亜佐子 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 教授 (10246001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 徹 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 准教授 (60292489)
三浦 玲一 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 教授 (70262920)
越智 博美 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (90251727)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | モダニズム / 国際研究者交流 / イギリス / アメリカ |
Research Abstract |
平成25年度は、「複数化されたモダニズム」というテーマを軸に研究を進め、その成果を総括するものとして、平成26年1月にはウェールズのスワンジー大学のダニエル・ウィリアムズ教授を招聘して、"Comparing Cultures" というタイトルの講演会およびワークショップを開催した。一橋大学と大阪大学で開催された二回の講演会では、日本ではまだ研究の進んでいないウェールズのモダニズム文学に関する貴重な知見が得られただけでなく、ウェールズ文学と米国のハーレム・ルネッサンス文学など、他地域のマイノリティ文学間の比較を可能とする理論的フレームワークの構築へと、大きく前進した。また、大阪大学の山田雄三准教授の協力を得て、関西地区の研究者と意見交換をすることができた。一橋大学で開催されたワークショップでは、レイモンド・ウィリアムズとエドワード・サイードの思想を比較検討することによって、モダニティの時空間に関する理論的考察を深めることができた。 研究代表者、分担者はそれぞれ夏季休暇、冬期休暇を利用して、英国図書館および米国国会図書館等で資料収集を行った。中井は9月に英国サセックス大学で開催されたModernism Studies Association の年次大会に出席し、「日常性」をテーマとするモダニズム研究の最新の研究動向を学ぶとともに、英米の気鋭の研究者とのネットワーク作りを行った。そのほか、中井、越智は、国内外でモダニズム関連の研究発表および招待講演を多数行っている。 研究成果の公刊においては、中山がジェイムズ・ジョイスの理論的研究の成果を単著『ジョイスの半美学』として出版した。また、中井を中心に、平成25年2月末から3月初頭にかけて開催されたサセックス大学のニコラス・ロイル教授の講演会シリーズを『デリダと文学』という題名の論文集として日本語で公刊する準備を行い、初校の校正まで終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外国からの研究者の招聘は、当初の計画どおりに行われ、研究ネットワークの構築および拡大は順調に進展している。英米での資料収集および学会参加も、ほぼ予定どおりに行われている。成果発表に関しては、単著が刊行され、講演会の論集の刊行も予定されており、こちらもほぼ順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は本研究課題の最終年度として、3月にイギリスの著名な研究者を招聘して、大規模なシンポジウムを開催し、研究課題の総括を行う予定である。平成25年度以前に開催した講演会等の成果に関しては、平成26年中に論集のかたちで刊行する。また、4年間の成果をまとめた論集の刊行に向けて、具体的な準備を開始する。 本研究課題を推進する上で、国内の英米文学以外、とくにフランス文学・思想を専門とする研究者との研究交流が必須であることがわかった。そのため、平成26年度は、シンポジウム開催へ向けて、脱構築研究会などフランス文学研究者との連携を強める予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Book] デリダと文学2014
Author(s)
ニコラス・ロイル,中井亜佐子(訳)
Total Pages
228 (53-115, 175-228)
Publisher
月曜社
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