2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320071
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
諫早 勇一 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (80011378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 陽一 天理大学, 国際学部, 教授 (20169056)
中村 唯史 山形大学, 人文学部, 教授 (20250962)
鈴木 淳一 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (40179221)
望月 哲男 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
望月 恒子 北海道大学, 文学研究科, 教授 (90261255)
阿部 賢一 立教大学, 文学部, 准教授 (90376814)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 近代ロシア文学 / 移動 / 亡命 / 時空間感覚 / モダニズム / リアリズム / 東欧文学 / 芸術 |
Research Abstract |
研究の最終年度に当たる本年度は、『駅・ガレージ・格納庫:ウラジーミル・ナボコフとロシア・アーバニズムの詩学』の著者であり、近代ロシア文学における「移動の詩学」の先駆的研究者であるダルハウジー大学(カナダ)のユーリイ・レヴィング教授を招いて、5月2日に北海道大学で研究会を開いたほか、京都・東京でも氏の講演を中心にした研究会を開催した。札幌での氏の講演「ロシア詩における潜水夫」はその斬新なテーマと幅広い背景知識によってわれわれを驚かせ、「移動の詩学」の射程を広げる示唆を与えてくれた。当日は3名の若手ゲスト報告者のほか、研究代表者の諫早も近代ロシア文学に描かれたベルリンと都市交通について報告を行った。 また、9月には立教大学で「東欧文学における「東」のイメージに関する研究」(科研費基盤(B))との合同研究会を開いて、4名のゲスト報告者のほか、研究分担者の阿部がミハル・アイヴァスの小説における「移動」について、望月哲男が写真家プロスクーディン=ゴールスキーの旅について報告を行い、東欧文学や文学以外の芸術における「移動」のテーマについて理解を深めた。 こうした研究成果は2月に刊行した研究成果報告書『近代ロシア文学における「移動の詩学」」に掲載した(研究分担者の望月恒子もヴェルチンスキーについて論をよせている)ほか、3月に北海道大学スラブ研究センターから刊行された『境界研究』2014特別号にも掲載されている。19世紀後半のリアリズム文学において、作品の重要な背景として登場し、プロットの展開だけでなく、登場人物たちの心理にも大きな影響を及ぼした交通手段さらに「移動」は、20世紀に入って異文化との接触・芸術の他領域との接触を通じてさらに大きな役割を果たすようになり、近代ロシア文学・ロシア文化を論じる上で無視できない位置を占めるようになったことが確認されたといえよう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(22 results)