2012 Fiscal Year Annual Research Report
漂泊する叙事 1940年代中華圏における文化接触史
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23320073
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
濱田 麻矢 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (90293951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福家 道信 近畿大学, 文芸学部, 教授 (00156811)
松浦 恒雄 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (20173792)
宇野木 洋 立命館大学, 文学部, 教授 (40168737)
今泉 秀人 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (00263343)
星名 宏修 一橋大学, その他の研究科, 教授 (00284943)
藤野 真子 関西学院大学, 商学部, 准教授 (20332653)
西村 正男 関西学院大学, 社会学部, 教授 (80302652)
三須 祐介 広島経済大学, 経済学部, 准教授 (60339653)
大東 和重 関西学院大学, 法学部, 准教授 (60434859)
絹川 浩敏 立命館大学, 経営学部, 教授 (20288616)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / マレーシア / 台湾 / 中国 / 満州 / ジェンダー / 越境 / 植民地 |
Research Abstract |
本年度は、大きく三つの活動を行った。まず、大阪大学の松本健二氏(ラテンアメリカ文学研究)、宮原曉氏(華僑研究)のお二人を招いた研究会を開き、スペイン語文化圏と中国語文化圏、華僑の移動と文学のあり方について共同討論を行った。本国とホスト社会との関係、ホスト社会で生まれた文学のフィードバック、読者の変遷など、中国語圏文学研究からも学ぶところが多かった。 次に、台湾・国際曁南大学教授で作家の黄錦樹氏を招聘し、氏を代表的存在とするマレーシア華人文学と四〇年代について話をうかがい、越境する華人性と言語のあり方について意見交換を行った。黄氏は戦火の時代に漂泊を繰り返した中国語圏の人々と、マレーシア社会との接触・軋轢・融合について語ったが、氏の見解は近代の東南アジアを主要な舞台とする氏の小説にも色濃く反映されていることがうかがわれた。 もっとも大規模な活動は、神戸大学にて行った『戦争と女性』と題する国際シンポジウムである。台湾大学外文系の名誉教授である齊邦媛氏の自伝『巨流河』を大きなテーマとしながら、40年代における人々の越境とジェンダーとの関係について、日本・台湾・中国・米国から計16人の研究者が報告を行い、「テクスト・記憶・性別」、「流通する女性像」、「『巨流河』とその時代」、「植民地とジェンダー」という四つのセッションに分かれ、二日間にわたって中国語圏の四〇年代とジェンダーの問題について活発な討論を交わした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初から計画していた四〇年代の戦争とジェンダーに関するシンポジウムを開催することができたのが一番の収穫であった。研究分担者以外にも多くの研究者を招聘することができ、綿密に準備を進めたこともあって、ジェンダー、戦争、植民地について、多くの地域から来た研究者と実りある議論を展開することができた。ただ、当初来日を予定していた研究者の一部が、日程や予算などの折り合いがつかず、途中でキャンセルとなったのは残念なことだった。シンポジウム以外では、中華圏以外の研究者との討論や華人作家の招聘などを実現させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の「ジェンダー(女性)」シンポジウムの成功を承け、来年度は「叙事」について研究交流の場を持ちたいと考えている。文字テクストに限らず、映画や演劇、音楽、ポスターなどにおいて、四〇年代という分裂と漂泊の時代がいかに表象されたのか、東アジアを中心にしながら視野をさらに広げ、米国の研究者との交流をすすめたい。最終年度を迎えるので、これまでのシンポジウムや研究会を踏まえ、論文集ないしは研究資料の出版準備を進めてゆく。
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Research Products
(14 results)