2011 Fiscal Year Annual Research Report
教育・ビジネス現場のELF(共通語としての英語)使用実態調査と教育モデルの構築
Project/Area Number |
23320122
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村田 久美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10229990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BACKHAUS Peter 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (40582888)
飯野 公一 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (50296399)
寺内 一 高千穂大学, 商学部, 教授 (50307146)
矢野 安剛 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 名誉教授 (00130857)
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Keywords | 専用言語学 / ELF / 英語教育 / ESP / 社会言語学 |
Research Abstract |
H23年度は前半に4回に亘るワークショップ開催と、8月下旬に、ELF研究の第一人者であるウィーン大学のサイドルホッファー、ウィドウソン両教授を招聘して国際ワークショップを開催し、ELF概念の理解を深めると同時に、ELF研究の現状把握を行った。ワークショップはELF研究に興味がある研究者や学生等にも公開され、特に国際ワークショップでは多くの参加者がありELFへの理解を深めるよい機会を提供した。 教育・ビジネスの場で前提とされている「英語標準モデル」のテクスト分析を中心とした研究こ関しては、上述のワークショップでの研究・検討課題としても取り入れ、理解を深めると同時に、新聞等のメディアでの、ビジネス、教育での英語モデルの前提こ関するデータ収集を行い、詳細分析を続けている。この結果の一部は研究代表者の村田が2012年5月末に開かれる第5回ELF国際会議で発表予定である。また、分担者矢野もこの国際会議で研究発表予定である。 日本人のELFコミュニケーション現場での第一次実態録音調査に関しては予定していたビジネス、教育現場の双方で、貴重なデータを入手することができた。ビジネス現場では分担者寺内を通してデータのアクセスが可能になったが、企業内会議等のデータである為、情報保護の問題があり、文字起こし等による詳細分析の制限が課題となっている。教育現場に関しては、分担者飯野の協力を得て、ELFによる授業、参加者インタビュー等の録画を済ませ、データの文字起こし、分析も進めており、この一部は2012年8月にベルリンで開催される社会言語学シンポジウム(SS 19)で飯野・村田が発表の予定である。同じくSS19で分担者バックハウスと村田が言語景観をELFの視点から捉え直した研究発表も予定している。このH23年度の一連の研究成果は現在ELFのワーキングペーパーとして出版準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画は概ね順調であるが、予定通りの進行に少し困難を来しているのはビジネス現場でのデータ収集・分析である。貴重な録画データを提供して頂くことができたが、会議等の録画記録である為企業秘密の保守という点からアクセスに制限があり、文字起こし等による詳細分析が難しい状況にある。企業の情報保護を最優先にし、今後更に調査方法等の調整を図る必要がある。また、研究に協力して頂ける新しい企業開拓も今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記達成度で述べているように、ビジネス現場でのELFコミュニケーションのデータアクセスが、企業の情報保護という観点から難しい状況である。エソノグラフィックに参与観察をし、録画・録音をさせて頂くというのが研究の目的からいうと理想だが、ビジネスの現場でそのような許可を頂けるのは非常に難しい。この研究がビジネスコミュニケーションの改善に寄与し、その結果間接的に企業業績等に寄与する可能性があることを理解頂き、今後更に新たな企業に研究協力を依頼していくことが大きな課題である。教ぽ現場のELFコミュニケーションについては順調にデータ収集・分析が行われているが、これに関しても異なる教育現場でのELFコミュニケーションのデータ収集、分析も今後取り入れていく予定である。
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Research Products
(10 results)