2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
服部 英雄 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (60107521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 文彦 放送大学, 教養学部, 教授 (60011326)
神田 由築 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究所, 准教授 (60320925)
高野 信治 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (90179466)
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Keywords | 河原ノ者 / 屠者 / 非人 / 絵図公開 / 史料公開 / 差別記載 / 太鼓胴内銘 / 白丁 |
Research Abstract |
A:研究集会を2度実施した(福岡市・九大西新パレス)。第1回は8月20~21日、初日石橋道秀(佐賀県立図書館)「差別記載が含まれる絵図資料の閲覧.公開と制限」助言者金谷匡人(山口県文書館)。井岡康時・奥本武裕「奈良県立同和問題史料センターにおけるインターネット情報公開の取り組み」。原慶三「慶応3年美保関騒動を読む」。服部「九州から考えた中世被差別民」:21日服部「中世の奈良坂」、趙正民「韓国における被差別民研究の現状」、永井彰子「筑前寺中」、現地調査は太宰府市にて老人会長さんより被差別体験を含むお話しを聞く。 第2回は3月4日服部「太鼓銘文調査の進捗について」。古川与志継「近江の太鼓調査」。中村久子「唐津藩の旗艦"正中丸"搭載の太鼓について」。高垣亜矢「近世西日本における皮革の流通構造と「靱しの村」-筑前国早良郡熊崎村を中心に-」。現地調査は寺中町→選澤寺(遊女雪友墓)→柳町遊郭跡→松源寺(寛政5人衆過去帳)、メンバー向け科研ニュース(Eメール)にて概要を配信。 B:太鼓店3店の協力が得られて太鼓胴内銘を収集、順次整理が進んだ。天正銘(ただし後筆で書き直し)、元和銘など古い銘文を検出。文献との照合の結果、唐津藩水の手(水軍)旗艦正中丸の太鼓と共通する銘文を持つ太鼓であったこともわかった。中世の文永の太鼓とされてきた国東長安寺太鼓銘が文永ではなく安永であることも判明 C:李俊九氏の韓国(朝鮮)における被差別民白丁に関する論文三本を日本語に翻訳できた(近日中にHpにて公開予定) D:中国上海・蘇州・寧波繁華街の障碍者と物乞いについて、科研ニュースで画像配信した。 E:8月7日服部「中世の被差別民衆群像九州から考える」として発表(全国部落史研究集会・佐賀市)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初太鼓胴内銘の収集については暗中模索だったが、3太鼓店の協力が得られた。 これだけでも数は多いが、なお協力を求めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
賎視された人々の歴史については蓄積ができたので、24年度に成果を公開する(図書公刊。服部『河原ノ者・非人・秀吉』山川出版社より)。23年度科研集会で明らかになった諸問題はより具体的に作業を行っていく。
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Research Products
(5 results)