2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320139
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
服部 英雄 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (60107521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 文彦 放送大学, 教養学部, 教授 (60011326)
神田 由築 お茶の水女子大学, その他部局等, 准教授 (60320925)
高野 信治 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (90179466)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 屠(屠者・屠児) / 肉食 / 鞍下牛 / 馬喰 / 金掘 / 定住・非定住 / やまのもの / 家船 |
Research Abstract |
2月16日(土)に奈良県立同和問題関係史料センターにて研究集会を開催した。報告は以下の通り。山村雅史「中世大和の被差別民―河原者と声聞師を中心に―」金谷匡人「山口県地方の陰陽師」服部英雄「定住・非定住」 17日服部英雄「紹介 Kokoro APPENDIX (ラフカディオ・ハーン=小泉八雲が記録した明治の芸能村」「牛馬と屠」:東昇「将軍・尾張への皮革献上」:竹中友里代「八幡の皮革」視察 奈良三棟町・木辻町・陰陽町ほか 18日:京都府八幡市を視察(中ノ山墓地:近世の埋葬従事者、角の者奉納の石造物、神宝所神人・菖蒲革職人の集住地区などを視察) その後金谷氏からは家船・馬喰などに関わる防長風土注進案ほか関連する多数の史料の提供を受けた。竹中氏の報告にあった菖蒲革に関わる史料はその重要性を考慮し、次年度以降の刊行を考えている。代表者服部は4月に図書『河原ノ者・非人・秀吉』(山川出版社)を出版し、『部落解放史の最前線』(福岡人権研究所)に「中世の河原ノ者と非人」を発表した。前者は新聞週刊誌の書評に多く取りあげられ、第66回毎日出版文化賞も受賞した。後者も朝日新聞・解放新聞に好意的にとりあげられた。第18回全国部落史研究大会参加し、現地調査も奈良市や高野山にて行った。現地調査はほかにも船住まいをしていたひとびとの後裔をたずねて長崎県大瀬戸町へ、また鞍下牛関連の史料が多数残る兵庫県大河内町などで行った。また大阪狭山市にて重源の狹山池構築に従事した人々と差別の関連について報告した。翻訳は曽田菜穂美氏に依頼してフロイス『日本史』の一部を行ったし、地名ほか関連史料の史料の電算入力を促進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者が公刊した『河原ノ者・非人・秀吉』(山川出版社)、『部落解放史の最前線』(福岡人権研究所、「中世の河原ノ者と非人」)はいずれも新聞・週刊誌の書評に多く取りあげられ、前者は第66回毎日出版文化賞も受賞した。課題が多く、拡散しがちだが、次年度以降も積極的に取り組むことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
太鼓銘文のうち中世の紀年銘を持つものについては資料を収集して、読みを確定していきたい。石清水八幡に関わる菖蒲革史料は今年度公刊したい。家船生活については資料をまとめていく。屠者と馬喰の関わりやシステムは肉食に即して検討する。近世史料には意外に肉食に関わる記述が多い。牛肉については肥料としたとする見解もあり、これも明らかにしていく。研究集会は1回は行いたいが、研究協力者との意見交換は随時進めたい。データ整理や翻訳は前年度に引き続き継続する。地名地図の公刊も推進する。
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Research Products
(10 results)