2011 Fiscal Year Annual Research Report
河南・山西地区の多民族融合社会史の研究-石刻史料による中国地域社会史解明の試み
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23320154
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
村岡 倫 龍谷大学, 文学部, 教授 (30288633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 憲司 奈良大学, 文学部, 教授 (20131609)
佐藤 智水 龍谷大学, 文学部, 教授 (40116463)
桂華 淳祥 大谷大学, 文学部, 教授 (40148359)
渡邊 久 龍谷大学, 文学部, 准教授 (70319507)
舩田 善之 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 講師 (50404041)
渡辺 健哉 東北大学, 文学研究科, 研究員 (60419984)
井黒 忍 早稲田大学, 付置研究所, 助教 (20387971)
松川 節 大谷大学, 文学部, 教授 (60321064)
櫻井 智美 明治大学, 文学部, 准教授 (40386412)
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Keywords | 東洋史 / モンゴル帝国 / 元朝 / 河南地方 / 山西地方 / 石刻史料 / 多民族融合 |
Research Abstract |
本研究計画の初年度に当たる23年度は、11月になってからの追加採択でもあり、22年に申請した時点で考えていた夏季期間中の海外調査は全くできなかった。しかし、短い期間の中で、できうる限りの海外調査を進め、まず、12月には研究代表者の村岡、研究分担者の森田が若手研究者と共に、台湾で故宮博物院、国家図書館、台湾博物館など各研究機関所蔵の史料調査、並びに現地研究者との研究交流を行なった。3月には本研究計画の研究対象となっている中国山西省・河南省に研究分担者の渡邊久が赴き、小規模ながら石刻史料の現地調査や史料収集を実施した。 そのほか、研究集会の中でそれぞれの研究成果を報告し、刊行されている石刻関係の書籍の中から、本研究計画に今後必要となる史料を整理し、共同で石刻史料の読解を行なった。特に、12月の研究集会では、アメリカ・ペンシルヴァニア大学の王錦萍氏を招聘し、「敬佛と敬祖─金元時期華北基層社会における佛教と家族制度の結合─」と題して講演をしてもらい、山西という地域、石刻史料を網羅的に利用するなど、本科研にとっては有益な内容であった。 また、研究成果報告書としては、研究分担者である森田が代表者であった平成16-18年度の科学研究費、さらに研究代表者である村岡が代表であった平成20-22年度の科学研究費において発行してきたニューズレター『13、14世紀東アジア史料通信』も引き続き刊行し、23年度は第16号を発行した。23年度は当初『西安碑林全集』を購入し、掲載される元代の碑文を読解、整理する予定であったが、日本の各書店に在庫がなく、中国からも取り寄せることができなかった。そこで、その購入費分を24年度に繰り越すことを申請し、認めていただいた。これに関しては、24年度になって購入することができ、24年度の「研究実績の概要」に記すように、研究は進捗し成果をあげた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述のように、当初、平成23年中に購入予定であった『西安碑林全集』が、日本に在庫がなく、書店に中国から取り寄せることも含めて注文をしていたが、年度末(24年3月末)になっても購入できていなかった。そのため、そのほかの研究計画はおおむね順調に進んだが、『西安碑林全集』を使った研究集会も行なうことができず、23年度中にはその研究成果もあげることができない状況であった。 しかし、これもすでに述べたように、『西安碑林全集』の購入費分を24年度に繰り越すことを申請し、認めていただき、これによって、24年度になって購入することができ、24年度の「研究実績の概要」に記すように、研究は進捗し成果をあげた。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度末において、上記の『西安碑林全集』は、24年度の科学研究費補助金が交付されることが決定次第、書店から取り寄せることが可能な状況となった。『西安碑林全集』は、研究分担者の森田憲司が所属する奈良大学に所蔵することにし、購入した後には、本全集に所収されている石刻史料に基づく研究を、研究代表者、研究分担者、連携研究者が行ない、奈良大学では一般向けに還元する意味も込めて、奈良大学図書館で展示し公開する。さらに24年度は現地調査を充実させ、新しい石刻史料を収集し、多民族融合社会の解明に努める。前述のように、これらは24年度研究実績に記入したように、計画通りに実現している。
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Research Products
(26 results)