2012 Fiscal Year Annual Research Report
河南・山西地区の多民族融合社会史の研究-石刻史料による中国地域社会史解明の試み
Project/Area Number |
23320154
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
村岡 倫 龍谷大学, 文学部, 教授 (30288633)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 憲司 奈良大学, 文学部, 教授 (20131609)
井黒 忍 早稲田大学, 付置研究所, 助教 (20387971)
佐藤 智水 龍谷大学, 文学部, 教授 (40116463)
桂華 淳祥 大谷大学, 文学部, 教授 (40148359)
舩田 善之 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 講師 (50404041)
渡辺 健哉 東北大学, 文学研究科, 研究員 (60419984)
渡邊 久 龍谷大学, 文学部, 准教授 (70319507)
松川 節 大谷大学, 文学部, 教授 (60321064)
櫻井 智美 明治大学, 文学部, 准教授 (40386412)
|
Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
|
Keywords | 東洋史 / モンゴル帝国 / 元朝 / 石刻史料 / 山西 / 河南 / 多民族融合 |
Research Abstract |
前年度からの研究計画に基づき、研究を継続した。海外調査としては、日本僧・円仁の名が記される碑で有名になった法王寺の調査を8月に行ない、モンゴル=元朝時代の碑を3点発見した。同じく8月には北京において元朝時代の都である大都および明清北京城の都城跡の調査と文献収集、5月には内モンゴル東部・遼寧省においても元代の遺跡や碑文の調査、11月にはアメリカ合衆国カンザス・シティのネルソン・アトキンス美術館において、北朝時代からモンゴル時代に至る山西を中心とする仏教資料及び仏教造像碑を初めとする石刻史料、当該時代の陶磁器・副葬品など各種物質資料の調査を行ない、大きな成果があった。12月には、中国天台山国清寺で中国社会科学院の研究者の協力のもと、漢文・パスパ文字モンゴル語合璧碑文の調査を行ない、台湾でも故宮博物院・中央研究院歴史語言研究所で元代碑文等の史料調査を行なった。 これらの成果をメンバーで共有する目的で、10回の研究集会を開催した。各人の成果は、研究発表一覧にあげている通りである。また、我々の研究成果を広く世に還元する目的で継続的に発行しているニューズレター『13,14世紀東アジア史料通信』も、今年度は第17号・18号・19号・20号、そして別冊と5冊を刊行した。 また、当初の計画では23年度中に購入し、研究する予定であった『西安碑林全集』は、日本の各書店に在庫がなく、23年度中に購入できなかった。そこで、その購入を目的に、23年度補助金を一部24年度に繰り越したが、24年度に入って購入することができたので、まず研究分担者の森田が所属する奈良大学の図書館で「『西安碑林全集』を見る」という企画展示を開催し、一般への還元をはかった。24年度中に刊行した『13,14世紀東アジア史料通信』の別冊は、その展示に関連して発行したものであり、19号・20号もその研究の成果として発行した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来23年度中に行なう予定であった『西安碑林全集』を基にした研究は、全集の購入が23年度中にできなかったため、補助金とそれによる研究は24年度に持ち越さざるを得なかったが、全集購入後には鋭意進めることができ、予定通り完了することができた。その成果として、ニューズレター『13,14世紀東アジア史料通信』第19号・20号・別冊を刊行した。23年度に『西安碑林全集』を購入できなかったために遅れていた研究を取り返した。 また、研究実績の概要にも記したように、研究代表者・研究分担者各人は順調に海外調査を行ない、史料の調査・収集が進めた。問題点としてはA必要最低限とは中国調査をする予定であるが、日中関係の悪化や中国の環境問題などがあげられるが、調査者に危険のないように、十分に事前調査をする。 研究集会も予定通り行ない、各人の調査の成果等を報告し、共同で史料を読解することによってメンバーの中で共有でき、その一端は、『13,14世紀東アジア史料通信』第17号・18号で掲載した。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの2年間でほぼ計画通りに海外調査を終え、多くの資料を収集することができた。最終年度は、海外調査は必要最低限にし、収集した資料の整理を行い、ニューズレターなどによって刊行する。問題点としては、必要最低限とは中国調査をする予定であるが、日中関係の悪化や中国の環境問題などがあげられるが、調査者に危険のないように、十分に事前調査をする。 過去2年度の研究成果に基づいて研究を継続し、最終年度であるので、各人が研究成果をまとめることを最大の目的とし、研究代表者・研究分担者の所属する研究機関のいずれかで、シンポジウムを開催する。ニューズレターの刊行も継続して行ない、その成果を広く世に還元する。また、一般向けの雑誌にも、特集号として本研究の成果を掲載することを検討している。 経費としては、前述のように、中国における補完的な調査のための若干の海外調査旅費、また、成果取りまとめのための研究集会に必要な国内旅費を計上したほか、この段階で必要な文献の購入費用を計上した。そのほか、成果の共有化、報告書公刊準備のための人件費などを計上している。
|
Research Products
(21 results)