2012 Fiscal Year Annual Research Report
修復的司法から修復的正義へ-理論と実証のクロスロード-
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23330001
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
松村 良之 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員(客員 研究員) (80091502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 晃 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90164813)
木下 麻奈子 同志社大学, 法学部, 教授 (00281171)
白取 祐司 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10171050)
城下 裕二 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90226332)
太田 勝造 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40152136)
村山 眞維 明治大学, 法学部, 教授 (30157804)
林 美春 千葉大学, 法経学部, 助手 (50292660)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 基礎法学 / 刑事法学 / 社会心理学 / 正義論 / コミュニティ |
Research Abstract |
A班(心理学班)は平成25年度に予定している本調査に向けて、実験計画法(シナリオ実験)によるWeb予備調査を行った。シナリオとしては、人々がイメージしやすい飲酒運転事故をとりあげ、実験計画としては、米国のDWI Court(Drunk Driving While Intoxicated Court)およびオーストラリアキャンベラ特別地区の修復的司法の実践を参考に、対審手続き(名前公表あり、なし)、カンファレンス(複数のバージョンあり)などを実験群として設定した。また、関連変数として、フェースシートの他、刑事司法に対する態度に関わる変数、パーソナリティ変数などを測定した。従属変数は、手続きの評価、結果の評価(好ましいか好ましくないか、公正か不公正かなど)である。結果については24年度は暫定的な分析にとどまったが、コミュニティの意味づけ、恥づけの文化との関連など来年度の本調査に向けての有用な結果を得た。 B班(法哲学班)は、修復的司法の標榜する正義について社会科学的にメタ分析を試みて、進化論的解剖を行った。その結果、修復的正義についての進化論的説明の手がかりを得た。その知見を参考にして、被害者・加害者間の関係修復に関連するADRの理論的再構築を試みた。 C班(刑事法班)は、今年度は、裁判員裁判における量刑判断の過程を実体刑法的視点から分析し、特に、被害者関係的事情が量刑上どこまで考慮されうるかについて、修復的正義の思想とも関連づけながら考察した。その結果によると、裁判員裁判は、特殊な条件の場合を除いて、修復的司法のアイディアと整合的であるとの見通しを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は心理学班担当の予備調査も計画通り遂行することができた。 法哲学班、刑事法班の研究もほぼ予定通り進行しており、来年度の研究につなげることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、心理学班は予備調査の結果を参考にして、本調査を行う。 法哲学班、刑事法学班はそれぞれの担当部分を深化させ全体の統合を図る。
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Research Products
(13 results)